40
「モッキュ!!」
もう一度、呼ぶ。
「来ないで!!」
モッキュの声。
俺は止まった。
ガヤオも止まる。
「帰ろう、モッキュ!!」
「無理だよ、ジロー」
モッキュは、あっちを向いたままだ。
「無理じゃない!!」
「だってジローは、ボクのホントの姿を知っちゃったでしょ。もう、ボクのこと嫌いになったでしょ?」
「………」
「いいよ、正直に言って。こんな化け物といっしょに居たくないでしょ。好きになんかなれないでしょ?」
「あははははははっ!!」
俺は爆笑した。
あまりの笑いっぷりに隣のガヤオが「こいつ大丈夫か?」って顔をしてる。
「ボクのこと怖いでしょ? 怒ると見境なくなって、宇宙だっていくつも滅ぼしちゃうんだよ!!」
「あははははっ!!」
俺は笑い続けた。
ガヤオが首をひねってる。
モッキュの頭が上を向いた。
「あははははっ!!」
「何がおかしいの!!」
モッキュが振り向いた。
両眼が三角になってる。
「真面目な話してるのに!!」
やっと俺の笑いが収まった。
「モッキュ! 俺のモッキュ愛を舐めるなよ!! 俺はモッキュをかわいいと思うことはあっても、嫌いと思ったことは一度もない! ちょっと腹立つときはあるけど」
モッキュの口が、ポカーンと開いた。
「俺はモッキュが居ないと生きていけない! モッキュを愛してるから!! 今もモッキュを抱き締めたくて仕方ない!」
「ジロー…」
モッキュの瞳に大粒の涙が溢れて、こぼれ落ちた。
「モッキュは俺が守る!!」
俺は叫んだ。
「モッキュ!!おいで!!」
「ジロー!!」
モッキュが猛ダッシュで俺の胸に飛び込んだ。
ギュッと抱きしめる。
モッキュが俺のほっぺにキスをした。
I LOVE モッキュ!!
「これは上手くいったってことなのか?」とガヤオ。
「ジロー、この人は誰?」
モッキュが訊いた。
質問に答えようとしたそのとき、俺は意識を失った。




