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「さっき説明した通りです。モルガングレムスが暴走したのですよ。この後、銀河を10個は壊滅させちゃいますね、たぶん」


 女性は軽い口調で言った。


「モルガングレムス?」


「はい。あなたはモッキュと呼んでいたようですね。元々は闇の世界から生まれた生命体です。一度、暴走すると、ご覧の通り周りを全て破壊して、なかなか収まりません。以前は3つの次元を滅ぼしました」


「モッキュが!?」


「さすがに見過ごせず、わらわの上司たちが介入したのです。その後の会議でモルガングレムスの処遇が決められて。まあ、根が悪くはないので贖罪のチャンスが与えられました。それで『己を律する修行コース』が適用されたのです」


「修行…」


「そうです。己を弱い生き物へと変え、暴走しないように精神をコントロールする修行です。経過としては、とても上手くいっていたのですが…あなたへの愛情が深くなりすぎたためにこのような結末に」


 あれがモッキュの本当の姿…怒りを抑える修行をしてた…。


「何とか出来ないのか!?」


 女性は小首を傾げた。


「本来、わらわたちは他の次元に干渉することは禁じられているのですが…わらわは、こういう結末はあまり好きではありません。最近、上司たちはこっちのことは、わらわに投げっぱなしなので少々の便宜を図っても問題ないと思います」


 女性が、ふふっ笑った。


「ただ、モルガングレムスは心を閉ざしています。あなたが直接接触して心を開かせることが出来るなら、という条件付きですが…どうしますか?」


 そんなの決まってるだろう!


 モッキュを助けるためなら何だってする!


「それでお願いします!」


 俺は頭を下げた。


「分かりました」


 女性が頷いた。


 タブレットを見始める。


「説得が成功した後の展開も考えて、あなたに応援をつけようと思います。えーっと…あ、今サービス期間中だ。わ。いっぱい居て誰が良いのか分からないなー」


 女性が眉をひそめる。


 どうやらクセみたいだ。


「まあ、1位の人でいいかな。ポチッとな」


 そう言って女性がタブレットをタッチした。


 突然、背後に気配がして、俺は振り向いた。


 誰も居なかったはずなのに、若い男が立ってる。


 中世の服みたいなのを着て、マントを羽織ってる。


 腰には剣を下げて、左手にはキラキラ光る盾を持ってた。


「まただよ! めちゃくちゃ楽しいところだったのに!」


 男が、わめいた。


 イラついてるみたいだ…。

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