表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/42

35

 新手の気配は無い。


 ヴァルゴはどこだ?


 俺とモッキュ、2人の特殊部隊員は「惑星爆弾」へと近づく。


 たどり着いた隊員の1人が爆弾をチェックする。


「大丈夫です。起動されていません」


 隊員が言った。


 安堵の表情だ。


 次の瞬間!


 空中から発射された一条のレーザーが、隊員の頭部を撃ち抜いた!


 連射の2発目で、もう1人の隊員も撃ち倒される。


 戦闘用のロボットポッドが、いつの間にか背後の空中に浮いていた。


 俺のハンドガンがポッドを撃ち落とす。


「ジロー!!」


 モッキュの叫び声!


 俺が振り返ると、2階テラスに立った女の姿が目に入った。


 ヴァルゴ!!


 ヴァルゴの銃の弾丸が俺のハンドガンを弾き飛ばし、2発目が右太ももを貫いた。


 くそっ!!


 俺はその場に倒れた。


「ジロー!!」


 モッキュが俺に駆け寄る。


「レオ、久しぶり」


 ヴァルゴが言った。


「ジェミニが、ここを教えたの? あいつはバカだけど、この星を破壊するのは賛成だと思ってた。あなたたち、意外と仲良しだったのね」


 ヴァルゴが、研究所に居た頃は生えて無かったブロンドのショートヘアをかきあげ、クスッと笑った。


「ヴァルゴ!!」


 俺は吼えた。


「こんなことをして何になる!? 俺たちの過去は消えないぞ!」


 ヴァルゴが首を横に振る。


 蛇のような冷たい目で俺を見つめた。


「この星の存在そのものが、私たちの生い立ちを思い出させる。私たちが呪われた存在だと。この世界に望まれない子だと」


「違う! この星じゃない、俺たちの心の問題だ! 考えかたを変えるんだ!」


「レオは平気なんだね。羨ましい。私はダメだった。今でも夢に見る。厳しい訓練。研究所員たちの嘘の笑顔、励まし。そして『あなたたちは正義の戦士なのです』って言う所長の顔、声」


「こんなことをしなくても俺たちは乗り越えられる!」


「いや。あなたは間違ってる。さよなら、レオ。私の兄弟」


 ヴァルゴが俺に銃口を向けた。


 俺とヴァルゴの間に立ち塞がる小さな影。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ