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「あいつは突然、僕の前に現れて言った。『お互いに過去を精算しましょうよ』って。君は知ってるだろ、僕が1番嫌いなのは、あいつだった。だから組むつもりなんて全然なかったよ」


「だがお前はヴァルゴに利用され捨てられた」


「そうなんだよ! あいつ、次に会ったら必ず殺してやる!」


「早く続きを」


「ああ…。僕があいつに飛びかかろうとしたら、こう言ったんだ。『精算よ、精算。完全に消し去るのよ』。分かるだろ、レオ。僕たちにかかった呪いを解く方法だよ。考えただけでワクワクする」


 完全に過去を消す。


 呪いを解く。


 そうか…。


「研究所か?」


「そう、研究所! いや、それだけじゃない! あの星ごと粉々にブッ壊すんだよ! そうすれば二度と思い出さなくて済むじゃないか! このアイディアには正直シビれたよ! だからヴァルゴのグループに入ったんだ」


「待て、ジェミニ。あの星…研究所と反対側の半球にいくつも大都市があって、人が住んでるだろ!」


 俺の言葉にジェミニは何の反応も示さなかった。


 何を言ってるのか分からないという顔だった。

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