表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/42

30

 向こうからは見えない強化ガラスの先に、拘束された1人の男が座ってる。


 最後に別れたときはスキンヘッドだった頭には、黒い長髪が生えていた。


 俺はジロー。


 隣にはモッキュ。


 モッキュは心配そうに俺を見てる。


「我々の開発した爆弾、仮に『惑星爆弾』とするが…」


 惑星グスターヴの軍将校が、口を開いた。


「それを強奪した犯人グループの1人が奴だ。『惑星爆弾』はひとつで大型の惑星そのものを破壊する威力を持っている。我々は何があっても爆弾を取り戻さねばならない」


 将校の軍人らしい鋭い瞳が、正面から俺の目を見た。


「我々の軍施設は、ほぼ壊滅させられ、3個の『惑星爆弾』が奪われた。応援に向かった部隊が大きな損害を出しながらも捕らえたのが」


 ガラスの向こうに将校が顎を向ける。


「奴だ。尋問したが、何も口を割らない。だが、奴はあなたになら全てを話すと言っている。我々には時間が最も重要だ。犯人グループが『惑星爆弾』を使い、何処かの惑星を破壊するようなことがあれば、多大な人命が犠牲となり、惑星同士の外交問題にも発展しかねない」


 将校の語気が強まった。


「あなたが名前を変えていたために、居場所を特定するのにかなりの時間が費やされた。早急に奴らの情報を訊き出して欲しい」


 別にグスターヴ軍を助ける義理はない。


 だけど、惑星をぶっ飛ばす爆弾なんて言われたら協力するしかなくなる。


 もう、俺と交わることはないと思ってた過去が、後ろから突然追いついてきた。


「分かった」


 俺は将校に頷いた。


「ジロー」


 不安そうなモッキュ。


「大丈夫だよ」


 俺はモッキュに笑って見せた。


 仕方ない。


 過去と向き合わないと。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ