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ジェミニの先導で夜のジャングルを進む。
いったい、どこでヴァルゴたちと合流するのか?
木々がまばらな開けた場所に出た。
空には星が輝いている。
ジェットエンジンの爆音が後ろから聞こえた。
背後を見上げると研究所から発進した飛行艇が、こっちへ向かってくる。
ヴァルゴたちは最初の予定通りに、あれで脱出したのか?
この場所に降りて俺とジェミニを乗せるのか?
飛行艇が途中で向きを右へと変えた。
離れていく。
俺がジェミニを問いただそうとした瞬間。
飛行艇が火を吹いた。
すさまじい爆発音と共に木っ端微塵に四散する。
「ジェミニ!!」
俺は怒鳴った。
「そう怒るなよ」
ジェミニが笑ってる。
警備員から奪った銃を俺に向けた。
「何だ、これは!?」
「僕の仕掛けた爆弾で兄弟たちが死んだのさ。見てただろ」
目の前が一瞬、真っ暗になった。
裏切りだって!?
あり得ない!
「何故だ…」
やっと絞りだした俺の声は、まるで老人の声だった。
俺自身も聞いたことがない声。
「単純だよ。君たちが気に入らない。僕がいくら必死になっても君たちに敵わないって分かってからは、ずっと嫌いだった」
ジェミニの能力は俺たちの中では最下位だった。
それでも普通の人間と比べれば、はるかに優れている。
他の兄弟たちが、たまにジェミニをからかっているのは見た…それだけで皆を殺したのか!?
「ヴァルゴがリーダーになったのも気に喰わない。澄ました、いけすかない女! 吹っ飛ばしてやって、本当にスッキリしたね」
ジェミニが笑った。
「戦闘訓練でいつもトップの君も大嫌いさ。偶然ペアになったとはいえ、最強のレオをこの僕がやっつけるなんて、これは痛快だよ!」
「正気か、ジェミニ?」
「僕は冗談は言わない」
ジェミニの顔から笑みが消えた。
ジェミニの指が銃の引き金を引く。




