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 ヴァルゴは全員を6つに分けた。


 俺はジェミニとペア。


 最強の兵士が6チーム。


 少しずつ研究所の警備を崩していく。


 最初は素手で、次は奪った武器を使って。


 それはまるで、大型の獣を毒がジワジワと弱らせていくような侵攻だった。


「そろそろ脱出だな」


 警備員のヘルメットを剥ぎ取り、数秒前までそいつの持っていた警棒で、元持ち主の顔を誰だか分からなくなるまで殴り続けてたジェミニが俺に言った。


 作戦だと、研究所のドックにある飛行艇を奪って脱出する手はずだ。


 全員がドックに集合する。


 無言でドックへ向かおうとする俺の腕をジェミニが掴んだ。


「こっちだ」


「ドックに集合だろ?」と俺。


「予定が変わったんだよ。地下に降りて水路から外に出る」


 研究所員に悟られない為に、俺たちの打ち合わせはあらゆる複雑な工程を経て行われた。


 長い時間、話している姿を見せるわけにはいかなかったからだ。


 ヴァルゴから俺への作戦の説明は、全てジェミニを通してだった。


 ここまで来ての変更だって?


 そんなバカなことがあるだろうか?


 だけど俺は、ジェミニを信じた。


 俺たちは兄弟以上の存在だ。


 この絆は断ち切れやしない。


 俺はジェミニの案内で地下に降り施設の外へと出た。


 初めて見る外の世界。


 熱帯雨林の気候、そしてジャングル。


 これが俺たちの育った星なのか。


 まとわりつくような湿気と暑さ。


 植物の強烈な青臭い匂いが鼻孔をつく。


 これが自然というものなのかと思うと、感動に近い感情が沸き上がってくる。

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