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 酒場を出たフダールを追って、宇宙港の倉庫街まで来た俺とモッキュ。


 あ。


 俺はジロー。


 遺伝子操作で生まれた…今回は割愛。


 奴は札付きのワルで高額の賞金首。


 もちろん、捕まえようと尾行してる。


「どこに行くのかな?」


「チャンスがあれば捕まえるぞ、モッキュ」


「うん」


 フダールが急に走り出した。


 まずい!


 慌てて追いかける。


 居ない…しまった!


「おい、小僧」

 

 後ろからフダールの声。


 銃を抜いて振り返ると…モッキュが、奴に捕まってる!!


 最悪…。


「動くな。この小熊の頭が吹き飛ぶぞ」


 モッキュ!


 簡単に捕まってんじゃないよ!


 ちょっとは抵抗しろ!


「ジロー、助けて!」


 自分のせいだろ!


 もう知らない…何回助ければ…泣いてる…泣いてるモッキュ…モッキュ…かわいい!


 めちゃくちゃ、かわいい!


「銃を捨てろ!」


 モッキュ、かわいい!


 抱きしめたい!


「早く捨てろ!」


 うるせー!!


 俺を差し置いてモッキュを抱いてる、おっさんGo To Hell!!


 ブレスレットからの増強剤注入で「ブーストON」。


 遺伝子操作されてる俺は短時間だけ、超スピードで動けるようになる。


 惑星モーラでガパチョに囲まれたときも、これで切り抜けた。


 おっさんとモッキュの声がどんどん、ゆっくりになっていく。


 頭をぶっ飛ばす?


 けど、賞金もあるからな。


 ハンドガンでフダールの右肩と右足を撃ち抜く。


 スピードが、元に戻る。


 奴が叫びながら派手に倒れた。


「ジロー!!」


「モッキュ!!」


 モッキュ、かわいい!!


 めちゃくちゃ、かわいい!!


「ああ…ああ…ジロー、苦しい。あと、その人が死んじゃう」


 えー!


 抱擁タイム終わり?


 やだやだ!!


 もっと、ギュってしたい!!


「あがが…い、医者を呼んでくれ…」


 おっさん、情けない声、出すな!


 奴が死なないギリギリまで、モッキュをハグしよーっと。

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