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ほんの短い一瞬、今までの思い出が俺の頭をよぎった。
ハイブリッドソルジャーとしての誕生、血よりも濃い繋がりの仲間、研究所の真実、裏切り、モッキュとの出会い…モッキュ…モッキュ…モッキュ!!
モッキュだけは死なせない!!
モッキュを突き飛ばして…
「はい、ジロー。これで動けるよ」
え!?
残骸が動いてる…
俺は二度見した。
ぜ、全然見てなかったから…
今はそれどころじゃない!!
俺は跳ね起き、モッキュを抱えて外壁の出っ張りに飛び込んだ!
間一髪で、敵の攻撃が始まる。
こうなったら負けやしない!
ハイブリッドソルジャーを舐めるなよ!
ブーストONを使うまでもない。
大口径ハンドガンを撃ちまくって、あっという間に敵をやっつけた。
「やったね、ジロー!」
モッキュが、ギュってしてくる。
か、か、かわいい!!
モッキュ!
モッキュ!
2人共、生きてて良かった!
「ああ…ああ…ジロー、苦しいよ。早く砲台を破壊しないと」
えー、メンドくさい。
あれ?
モッキュがいつもより、さらに良い匂い。
シャンプー変えた?




