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「ジロー、ごめんよ」
3回目。
モッキュ、涙目。
つぶらな瞳。
確かにモッキュがナビをミスったから追い込まれてる。
俺はジロー。
14歳。
遺伝子操作されて生まれたハイブリッドソルジャー。
俺がどうやって生まれてきたかは今回関係ないから割愛。
ただ今、惑星モーラの洞窟内で現地の生物ガパチョの巣に迷い込んで最悪中。
地面の窪みに隠れて次々と襲ってくる凶悪な獣に、背中のバックパックから右腕にかけて伸びたオートガンを乱射してる。
だから、めちゃくちゃ忙しいわけ、俺は。
「ジロー、ごめんよ」
はい、4回目。
モッキュは見た目は小熊のぬいぐるみ。
戦闘力はあまり無くて、俺のサポート係。
二人の出逢いは、今回は割愛。
「もういいよ、モッキュ。レーザーガンの用意して」
撃ちまくりの俺。
そろそろオートガンが弾切れ。
「それが…レーザーガンのエネルギーがゼロなんだ」
…………おい!!
「何でだろ?」
こっちが訊きたい!!
オートガンの警告音。
はい、弾切れ。
モッキュ、殺す!!
「ジロー!!」
泣きたいの、こっち!!
1発殴ってや…殴って…泣き始めたモッキュ…モッキュ…あー…か、かわいい!!
バックパックを捨てて、モッキュを抱き締める。
かわいい、かわいい!
「ジロー、ごめんね」
許す!
全て許す!
「ああ…ああ…ジロー、苦しい。あと、後ろ!!」
背後にガパチョたちの気配。
俺とモッキュの抱擁タイムを邪魔するとは…こいつら、地獄行き決定!
片手でモッキュを抱きながら、空いた手で大口径ハンドガンを構える。
激かわいいモッキュを守ってみせる。
こうなったら、とっておきを出すぜ!!