東の洞窟に行きたいのですが! 怒 その1
「俺、男には興味がないから村で待っているわ」
......なんだって?
「おいどんも必殺技を出し惜しみしたいでごわす」
ちょっと待て‼︎ さっきあんなに熱い会話をしたではないか! どうした? くそ! また逆戻り......などさせない‼︎
俺はロックフェイスの魔法を洞窟に続くように岩の一本道にした。
(無論、村には戻れないように)
遊者とカルバンは驚いているようだが、まあ仕方がない。ここまでの強大な魔法など見た事がないだろうからな。
......俺は悲しく思うぞ。俺のMPがモンスターではなく遊者たちの冒険を進ませることに使われているという現状が。
東の洞窟まで約1キロ。そこまで岩を作るのに5分の1のMPは使ってしまった。戦闘中は魔力軽減のスキルでMPが減りにくい戦い方ができるのであるが......強制的に攻撃魔法を補助魔法のように使っているのだ。そんな使い方など今までしたことがない。
「これはスキルを身につけないと、後半の冒険に支障が出そうだな」
対処は今のうちにしておこう。じゃなければ、遊者とカルバンが強くなってしまう。
......わがままがな。
遊者は一本道に続く道を見て、
「うおおお! これが神の道標なんだな!」
と盛り上がっていた。よかった、いい方向に捉えてくれて。遊者の場合は当たり外れがわからない。だからこそ後出しジャンケンの更に後出しじゃんけんをしていかねば勝てない。
「すごいでごわす。これも全てライトがやったでごわすか?」
「......まあな。俺の枕ドンって魔法だ」
「枕ドン、いい名前でごわす」
なんだ! そのネーミングは‼︎ そして枕から離れろ‼︎ ドンは壁のドンから来ているのか? 壁といえばいいじゃないか? そこをひねる必要があるのか?
遊者よ。もう少しだけ真面目に頼む。
「仕方がないから、ニコルの村の男性を助けに行くか」
「おいどんは必殺技の出し惜しみをしたいでごわす」
カルバン、まだ言うか。
「カルバン、甘いな。男性たちを救うのはカムフラージュなんだ」
「カムフラージュでごわすか?」
「考えてもみろ。東の洞窟のボスを倒す。村の男性を解放。俺らが村に戻る。
めちゃくちゃすごい人的な目で見られる。村の男どもはほったらかし、俺らはウハウハだぞ」
なんだ勇者あるまじき下心は。遊者よ。洗礼の儀式で何の洗礼を受けたのだ?
カルバンは嬉しそうに何度もジャンプを始めた。
「ウハウハでごわすか? おいどんにも春が来るのでごわすな」
「待て待て。まずは俺からだ」
いや、一緒でいいんじゃないか?
「カルバンは俺の戦士だ。だから遊者より目立ってどうする。ちゃんと手頃な女性を紹介してやるから」
「本当でごわすか。さすがライトでごわす」
騙されている! 騙されているぞ‼︎ どう聞いたって遊者のお目にかなわなかった女性をカルバンにあげると言っているもんだろ? それで満足するなカルバン!




