作品によっては広げた風呂敷を畳めなくても良いんじゃないでしょうか?
と、ここまでが兄が書いた小説のお話。
ここからが現実に戻る。
兄の書いた小説をスマホで読み、現実空間でくつろいでいる妹が兄にたずねる。
「で、この後の続きはどうなるの?」
「知りたい? 知りたい?」
別に知りたくはなかった。しかし、物語の続きというのは、始まらせれば終わらせる義務が生じる。
女子中学生の石神魅空は、底辺なろう作家の兄である、高校生の石神清隆に続きを催促する。
「いいから教えろ。ぶっ飛ばすぞ」
「分かった。スマホを投げるのはやめて。コホンッ。この物語の終わりは、物語の登場人物ではない現実の世界の人物に喋らせる形式を取ったんだ。ぐだぐだ休憩たちが石神の兄に会いに行ってぐだぐだレベルをあげてぐだぐだ最終決戦をしても面白くないじゃん? だから俺が登場した」
「新しい試みは分かったから。最後、正月休憩たちはどうなるの?」
石神清隆が物語の終盤を話す。
危機を感じた休憩が、石神の兄、清隆に会いに行く。清隆は絶対に死なない宿命を背負っており、戦場で死んだことのない天才だった。清隆は宿命を打ち破るために魅空を育てたのだが、結局、魅空は清隆の手の内に動いてしまう。
マクガフィンを使って日本を滅ぼそうとする魅空。しかし、休憩とレストの説得によって日本を滅ぼそうとするのをやめる。
「ふ~ん。結局は何もなかったエンド?」
「違う違う。そんなんじゃ魔王汽笛の名前を魔王にしてマクガフィンを配置した理由にはならない。ここからが本当のクライマックス」
日本を滅ぼすのをやめた魅空。しかし、(電車の中で)魅空の信者になった魔王汽笛が怒り、潜伏期間を得て魅空に憑依する。最初に気づいたのは嘘が付けないルールを持つレストだった。
「レストは言うんだ。『魔王、何をするんだ?』魔王は言う。『私の名前は魔王汽笛。魅空様の祈願であるすべての小学校、中学校を消し去るために行動を開始する』とね」
もともと学歴コンプレックスだった魔王は、日本の教育機関すべてを滅ぼす決意を固めた。
「待ってお兄ちゃん。物語の中ではプレイヤー以外の戦争を禁止するってあったけど、魅空に乗り移った魔王はどうやって戦争をするの?」
「簡単だよ。マクガフィンを使ったんだ」
マクガフィン。それはレベルアッパーと呼ばれるプレイヤーのレベルを最大にするマジックアイテム。魔王はレベルアッパーを使ってテイマーの能力を最大限にする。そうして最大限になったテイムは、アナザーアースからの召喚、使役を可能にした。魔王はマスターシーフであるショーガツを現実世界にテイムした。
「へー。大晦日憩いの勝てなかったショーガツを使って日本を支配するんだね」
「ああ、暴れ出した魔王を倒すため、休憩は石神清隆、殺し屋の精鋭三人、大晦日憩い、情報屋、ラノベ警察の力を借りて無事に魔王を倒す。これでちゃんちゃんだ」
「へー面白かった。ありがとう」
「で、妹よ。いつ学校に行くの?」
「うっせ。死ね。バカ兄!」
これは兄と妹の物語。
文学青年(底辺なろう作家)の兄と不良少女の妹の物語。
――Fin.




