死後六日目 5
これで最後です
「違うよ」
彼の表情、喋り方が大人しく変わった。
「小説みたくお前は報復をしていない」
確かにそうだ。
「だが観察してモチーフにしたのは確かだ」
彼は椅子に腰かける。
「あの話は本来だったらお前が自殺して終わりだったが、ソウタが邪魔をしてきた」
「架空の存在が現実に現れたのか」
俺の問いに彼は頷く。
「あいつは狂っている。俺も人の事言えないが」
チャボはため息をつく。
「小説に書いた事を真似するばかりか。それ以上をしてきた」
椅子に寄りかかり天井を見上げた。
「今頃、ソウタは死んでるな」
俺はチャボにつかみかかる。
「どういう事だ」
彼は冷たい目でこちらを見た。
「さっき『報復屋』の最終回を投稿した。いじめっ子に敵わず主人公『サトウ』が自殺して終わる話を」
「だからと言って彼が自殺するとは限らない」
「ソウタは小説に依存している」
下から何かが落ちた音。
上からは悲鳴が聞こえてきた。
「屋久が落ちた」
「見るな」
「救急車。いや警察か?」
そんな騒ぎが聞こえた。
体が震えた。
「やった」
俺の口からそんな言葉が漏れた。
「いじめっ子に報復をした犯人は自殺かな。一緒に屋上に行ったいじっめ子は殺人の容疑かな。いじめを認識、対処できなかった教師は退職かな。それは嬉しいよな」
チャボは笑っている。
そして彼は小さくこういった。
「俺はただ小説を書いただけだ、言及もしている。だけど『報復屋』は報復した」
今まで読んでくれてありがとうございました。
未熟な自分の小説なので読みにくいところ分かりにくい所があったかもしれません。
また次も新しい物語を書きますのでその時はよろしくお願いいたします。




