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報復屋  作者: 稲草 狐依
28/29

死後六日目 4

どこまでが劇なのか

どこまでが話なのか


「ミドリ、お前が作者だ」

「何故ですの?」

「投稿されていた『報復屋』と部室にあった『報復屋』は違う」

「……間違えてしまいましたね。ですが私が作者ですとどんな弊害があるのかしら?」

「ソウタが『報復屋』のファンである事を知り、『報復屋』を使いソウタを操っていた」

「出鱈目な推理ですわね」

 俺は振り向き一言言ってやった。

「出鱈目で無茶苦茶だよ。そんな作り話はやめてくれないか」

 目の前にいるチャボに。

 今まで彼がひとりで『俺』と『ミドリ』になって喋っていただけだ。

「ちょっと足りないかな~」

 彼は笑っている。

「何が足りない?」

「主人公が謎を解いて説明か、犯人がネタばらしとかしなきゃだめだろ~」

「主人公は俺で、犯人はお前か」

「その逆かもよ~」

 彼はヘラヘラしている。

「その話を聞きに来た」

「なんで~?」

 俺は笑ってしまった。

 彼は首をかしげている。

「奄美 了、カタカナでアマミ リョウだから甘味料とした。砂糖とかの甘味と調味料の料で甘味料」

「ネタばらししてくれるの~」

「『サトウ』は偶然。ソウタのアナグラムで『サトウ』になったからだろ」

「当たり~」

「しかもそれは元々は名前が無かったキャラクターにただ付けただけ」

「すごいね~」

「『報復屋』はいじめっ子に対して報復する話ではなく。教員に報復をする話」

 彼の笑みが消えた。

 俺は卑しく笑う。

 彼は答えない。

「『報復屋』は本来だったら六日前に完成していた」

 彼はこちらを睨みつけるだけ。

「いじめの被害にあって男子生徒が飛び降り自殺」

 俺はまた笑ってしまう。

「『報復屋』は小説じゃない。俺の観察日記だ」

次回最終回です

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