死後六日目 4
どこまでが劇なのか
どこまでが話なのか
「ミドリ、お前が作者だ」
「何故ですの?」
「投稿されていた『報復屋』と部室にあった『報復屋』は違う」
「……間違えてしまいましたね。ですが私が作者ですとどんな弊害があるのかしら?」
「ソウタが『報復屋』のファンである事を知り、『報復屋』を使いソウタを操っていた」
「出鱈目な推理ですわね」
俺は振り向き一言言ってやった。
「出鱈目で無茶苦茶だよ。そんな作り話はやめてくれないか」
目の前にいるチャボに。
今まで彼がひとりで『俺』と『ミドリ』になって喋っていただけだ。
「ちょっと足りないかな~」
彼は笑っている。
「何が足りない?」
「主人公が謎を解いて説明か、犯人がネタばらしとかしなきゃだめだろ~」
「主人公は俺で、犯人はお前か」
「その逆かもよ~」
彼はヘラヘラしている。
「その話を聞きに来た」
「なんで~?」
俺は笑ってしまった。
彼は首をかしげている。
「奄美 了、カタカナでアマミ リョウだから甘味料とした。砂糖とかの甘味と調味料の料で甘味料」
「ネタばらししてくれるの~」
「『サトウ』は偶然。ソウタのアナグラムで『サトウ』になったからだろ」
「当たり~」
「しかもそれは元々は名前が無かったキャラクターにただ付けただけ」
「すごいね~」
「『報復屋』はいじめっ子に対して報復する話ではなく。教員に報復をする話」
彼の笑みが消えた。
俺は卑しく笑う。
彼は答えない。
「『報復屋』は本来だったら六日前に完成していた」
彼はこちらを睨みつけるだけ。
「いじめの被害にあって男子生徒が飛び降り自殺」
俺はまた笑ってしまう。
「『報復屋』は小説じゃない。俺の観察日記だ」
次回最終回です




