死後五日目2
体育館倉庫から脱出した彼。
向かったのは授業中の教室でした。
俺が所属している教室の前まで行き、中を覗くと授業をしていた。
俺がいない事を気にせず授業を受けている。
この中に俺を閉じ込めた人物もいるだろう。
いつもの光景だ。
ただ一人、俺の隣に座っている彼女は違った。
ソワソワしている。
何かをしたいのだろうが、注目を浴びるから嫌なのだろう。
すると後ろの方の席の男子生徒が手を挙げた。
「屋久どうした?」
「先生、与那国さんが具合悪そうです」
「そうなのか?」
アキはその問いに一瞬戸惑ったが、頷いた。
「私が連れて行きます」
アキのすぐ後ろの席の彼女が立ち上がり言った。
「では黒、与那国を頼む」
「わかりました。行こ、アキ」
アキは立ち上がり、女子生徒に引かれ扉へ向かう。
俺が今、覗いている扉へ。
まずい。
隠れられない。
逃げられない。
壁際に寄っているしかない。
女子生徒は扉を開ける。
「なんであなたがいますの? 私てっきり居ないから帰ったのかと思ってました」と言い、こちらを向く女子生徒。
教室の中がざわめく。
「黒、どうした?」
教室の中から教師が聞いている。
「授業をさぼっていた生徒を見つけました。それだけです」
女子生徒は教室の中に見えないように指だけで手招きをして教室を指差す。
そして二人は保健室へと向かって行った。
その時、アキと一瞬目が合った。
なぜか彼女はほほ笑んだ。
俺は二人が出て行った扉から教室に入る。
怒られるのは慣れました。
ちなみに気づいていると思いますが
苗字は全部
南西諸島です
屋久 島
与那国 島
奄美 大島
黒 島




