「眠いけど」
同じく日曜日
チャボの話の続きです
今何時だ?
携帯を手に取り時間を確認する。
十一時になるくらい。
あと一時間と言いたいが、起きる。
周りを見回して気づいた。
自分の部屋ではない薄暗い小さな部屋だ。
「どこだ」
さっきも同じ事を言った気がする。
寝ていた布団も自分のではない。
携帯電話の画面の光で周りを照らす。
長方形の部屋だ。
広さは四畳ぐらいか。
布団以外の物は何も置いていない。
窓はシャッターが閉まっていて、鍵が動かない。
扉も外から何かで押さえつけてあるのか開かない。
「報復か」
俺は扉の外にいるだろう人物に言う。
返事は無い。
「忘れてたよ~。僕が屋上に閉じ込めた事をね」
チャボのキャラで話かける。
「しかし律儀だね」
僕は笑いながら独り言を言う。
「ちゃんと『報復屋』通りのやり方をするなんて」
返事は無いが話を続ける。
「閉じ込めるだけなら布団なんていらない。あれは単なるネタだって」
僕は携帯画面を『報復屋』のサイトに変える。
「そして小説通りならば」
俺は窓に向かって目覚まし時計を投げ、伏せる。
すると目覚まし時計が爆発した。
「目覚ましに火薬が入ってる」
窓は割れ、シャッターが壊れた。
俺は割れた窓に布団を敷き、シャッターを手でこじ開ける。
小説通り一階だ。
窓から飛び降り、俺は裸足その場から逃げ出した。
昨日の帰りみたく気を失わせられて閉じ込められたくない。
誰だか解らないが小説『報復屋』の真似をしているなら、打つ手はある。
俺は携帯電話の画面を見る。
この小説の内容を見ればやり方は全部解るって事だからな。
自分は暗い所は携帯電話のカメラのライトで照らします。
因みにチャボは呑気で抜けてます。
携帯電話で助けを呼べば良かったでしょうに(笑)。