1947年:第二次世界大戦終結直後の世界
◆総覧: 1947年の世界(この世界線)
• 欧州戦勝国は日米英仏
• ソ連は戦勝国ではない(ドイツ降伏式に不参加)
• ドイツは東西に分割されず、全土が連合軍軍政下
• 冷戦がオーデル川で既に開始
• 日本は東西両大陸で戦勝国として台頭
• ソ連はヴォルガ後退戦のダメージからまだ立ち直れず
• 中国・朝鮮はソ連占領地域が社会主義化、日本の影響圏は縮小
史実のポツダム・ヤルタ体制が存在せず、
「戦後秩序の基本設計そのものが異なる」状態です。
============================================================
◆ 1. 欧州:連合軍の勝利と“オーデル冷戦”の幕開け
■ドイツの状況
• 連合軍(日本・米・英・仏)がベルリンを制圧(1946年9月)
• ソ連はベルリンに到達できず
• 1947年1月、ドイツ降伏文書調印
• ソ連代表は欠席 → ソ連は“戦勝国扱いされず”
結果
ドイツは全土が連合軍軍政下となり、
東西分割もなく、ベルリンも連合国側の都市。
ドイツ人にとっては「ソ連より日本人を見る方がマシ」という空気まで生まれる。
---
■オーデル川が“冷戦の国境線”
• 西岸:日米英仏連合軍
• 東岸:ソ連軍
双方が砲兵と装甲を集中させ、
“撃てば第三次世界大戦”という緊張が継続。
史実のベルリン封鎖より2年早く、
1947年初頭から冷戦が正式に始まる。
---
■東欧
ソ連はヴォルガ戦線からの退却後、
東欧のみ確保できた。
占領下に置いた国:
• ポーランド
• チェコスロバキア東部
• ハンガリー
• ルーマニア
• ブルガリア
• バルト三国
ただしソ連の国力は低下しており、
これら国家の“完全衛星国化”はまだ未完。
============================================================
◆ 2. 日本:大陸喪失の敗戦国から、欧州戦勝国へ
史実と最も異なるのがここ。
■日本の軍事的立場
• 対ソ戦では敗退
• 満州・北部~中部朝鮮を喪失
• 中国でも撤退
→ アジアではほぼ敗北
しかし欧州では
• 対潜能力以外は高評価
• 陸軍は米式装備を導入
• 機動部隊は地中海と大西洋で護衛戦に参加
→ “連合軍の欧州戦勝国”の一角となる
この世界線の日本は
アジアでは敗北、欧州では勝利した複雑な戦勝国。
■政治:陸軍の失墜と“英米派”政権
• 陸軍の敗戦責任追及
• 海軍・外務省・宮中の英米協調派が主流に
• 日本版マーシャル・プランの開始
→ 日本向けに米英が大量の資本・機械を投入
結果:
日本は史実より早い段階(1947年)で経済成長を始める。
============================================================
◆ 3. ソ連:史実より弱体化し、精神的敗戦国に近い状態
■軍事的損害
• ヴォルガ~ドンでの膠着と後退
• 日本軍の釜山橋頭堡死守で極東戦線を分散
• バルバロッサでモスクワ喪失
• 装備損失は史実より約20~30%増
■政治的地位の失墜
• ドイツ降伏式に呼ばれず
• ベルリンは奪えず
• 戦勝国として扱われない
スターリンは相当に激怒し、
以後の対日・対米政策は極端に強硬化。
■経済の疲弊
• レンドリース縮小(後には完全停止)
• 東欧からの収奪が主収入に
• 国内では飢餓と工業の停滞
史実の1947〜49年よりも“弱いソ連”となる。
============================================================
◆ 4. アジア:二つの中国と朝鮮
■朝鮮
• 北:ソ連占領
• 南:日本が釜山周辺のみ保持
1946〜47年にはソ連が
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を建国。
南側は“日本軍政下の小領域”として存続。
■中国
中華民国は満身創痍で南京に縮小。
一方でソ連占領下の満州・華北で
中華人民共和国が1946〜47年に成立。
中共は日本と直接対立するが、
米英とは微妙な距離感を保つ。
============================================================
◆ 5. 英米:日本を“対ソの主力同盟国”として扱う
■理由
• 欧州での日本軍の戦果は大きい
• 日本がソ連の仮想敵であることは明白
• アジアの米軍再配置の負担を軽減できる
• 日本を西側陣営に固定化したい
そのため英米は、
史実より桁違いに早く・大規模に日本支援を開始。
■日本向けレンドリース
• 1946~47年、日本への供給が急増
• 車両・無線・燃料・鉄鋼・航空機・貨物船などを大量投入
• 日本経済が“戦後ブースト”を獲得
============================================================
◆ 6. 戦後秩序の構造
■ヨーロッパ
• 連合軍(西側) vs ソ連(東側)
• 国境はオーデル川
• ドイツは全域が西側
■アジア
• 満州・北朝鮮・華北:中国(共産)+ソ連圏
• 日本は朝鮮南端・台湾・沖縄を保持
• 中華民国は日本と連合
■世界構造
史実の「米ソ二極」ではなく、
米・英・日 vs ソ連 の三極構造に近い。
============================================================
◆ 7. 1947年の世界のキーワード
1. “オーデル冷戦”開始
2. ソ連の戦勝国不参加という異例の事態
3. 日本の欧州戦勝国化
4. 日本経済の早期復興と再軍備
5. 東欧のソ連化と西欧の日本軍駐留
6. 中国・朝鮮は二分割
7. 米英日同盟の形成がほぼ確定
============================================================




