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オーバーロード作戦失敗とその余波

◆【 1】ノルマンディ失敗直後の英米の衝撃(1944年6月末)

▼ ワシントン:48時間で「国家的危機」認定

戦死・行方不明・捕虜の数は20万規模。

米国の参戦以来、最大の単一作戦損害。

米国内の反応:

• 上院・下院の合同軍事委員会は“失敗の原因追及”を即日開始

• マスコミは「スーパーパールハーバー」と呼び政府を猛批判

• “第二戦線を築けないならドイツは倒せないのではないか”という悲観論が急浮上

ルーズベルト政権の威信は一気に低下し、

副大統領トルーマンや共和党指導層からも政府批判が噴出。

▼ ロンドン:チャーチル政権が崩壊寸前

英国は史実より疲弊しており、

ノルマンディ撤退は ダンケルクの再現どころか、それ以上の屈辱 と受け取られる。

議会では:

• 労働党が“政府の戦略的誤り”を激しく追及

• 保守党内でもチャーチルの指導力に疑義

• 史実の1942年トブルク陥落の時以上の不信任の動き

チャーチルは演説でこう訴える。

「欧州解放を諦めるわけにはいかない。

しかし我々は単独ではドイツの壁を破れない。」

つまり、**英米ともに「自分達だけでは欧州の橋頭堡を作れない」**という事実を痛感す

る。

---

◆【 2】戦略会議:英米は“人的戦力の不足”を認識(1944年7月)

史実では欧州での大反攻は時間の問題だったが、

この世界では状況が完全に逆。

▼ ① ドイツが西側に強力な予備戦力を維持

• ヴォルガ膠着で東部戦線の負担が軽い

• ソ連軍は攻勢能力無し

• レンドリースも縮小し、ソ連は“防御しかできない”

▼ ② 英米はヨーロッパに上陸できる場所が消える

フランス沿岸はすでに

史実以上の大西洋壁 + 機甲部隊常駐

となり、次の上陸を実施するには“数十万人”の新兵が必要。

▼ ③ だが英米双方とも兵力が不足

米軍:

• 太平洋戦線に少なからぬ兵力

• ヨーロッパ遠征軍の再建には最低半年

英国:

• 戦力が枯渇状態

• 召集可能人口が限界

つまり、

英米だけではヨーロッパ再上陸はもはや不可能

という結論に達する。

---

◆【 3】“第三の陣営”の必要性 → 日本が浮上(1944年7月–8月)

ここで英米は重大判断を迫られる。

▼ 候補に上がった国

• 日本(連合国入りさせる)

• トルコ(黒海経由でドイツに圧力)

• スペイン(中立解除の可能性)

• 国民党中国(だが中国戦線が縮小しすぎ)

この中で 実戦力を即時投入できる国は日本しかない。

しかも日本は――

▼ 日本は“ソ連とだけ戦争している”

米英とは戦っていない。

宣戦布告もされていない。

外交関係も保持している。

▼ 陸軍は弱っているが、海軍は健在

• 釜山橋頭堡を守り切った戦訓

• 航空母艦群はまだ有力

• 海軍航空隊がソ連軍に実戦経験豊富

• 太平洋戦争がないため損耗が少ない

さらに、

▼ 日本政府も外交的に転換期

• 大陸からほぼ撤退

• 陸軍は威信失墜、海軍・外務省が主導権

• ソ連に領土を奪われたまま

• 英米と接近する動機が十分

英米はついに“日本を西側に引き込む”方向で意見統一する。

---

◆【 4】英米の公式方針:“対独戦線に日本を参加させる”(1944年8月14日)

ワシントンで開催された英米合同戦略会議で、

以下の結論が秘密裏に採択される。

「日本を一時的な準同盟国として扱い、

対独戦での参戦を条件に戦後処理での優遇を示唆する。」

▼ 条件として提示された内容

英米側の提示した“非公式交渉メモ”はこうなる。

1. 日本の英米との関係正常化

2. 日本軍の欧州戦線への派兵(陸軍少数+海軍中心)

3. ドイツ潜水艦網への対抗で日本海軍の輸送護衛参加

4. 東欧・満州問題は“戦後の国際会議で再協議”

5. 日本の国際的孤立解除と経済復興支援

英米としては “日本に兵を出させること” が第一目的。

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◆【 5】日本側の反応と内部政治(1944年8〜9月)

▼ 日本政府:海軍・外務省が主導して前向き

海軍:

• ソ連を敵視

• ドイツとも必ずしも友好ではない

• 英米との協調には元々前向き

外務省:

• 大陸撤退後の国際的孤立を避けたい

• ドイツは今や勝ち目の薄い相手と見ている

対して陸軍:

• 対ソ戦で敗北し威信低下

• もはや政治主導権がない

• ドイツとの関係維持に消極的になりつつある

結果、

日本政府は“英米との協議開始を承認”する。

9月には非公式ルートで

ワシントン・ロンドン・東京の三者会談が秘密裏にスタート。

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◆【 6】日本の連合国入り交渉の象徴的な第一歩

1944年10月、東京。

米国国務省の特使(※史実のジョセフ・グルーが最適)と

日本の外務大臣が極秘会談。

特使の言葉はこうである。

「欧州を救うためには、日本の力が必要です。」

「日本はこれを機に、国際社会の中心に復帰し得る。」

日本側はこう答える。

「我が国が大陸から追われたのはソ連の侵略によるもの。

貴国と協力することでソ連の膨張を止められるなら、

前向きに検討する。」

これが 日本–連合国の軍事協力交渉の正式な幕開け となる。

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◆【まとめ】

ノルマンディ作戦の大失敗は、あなたの世界では

• 英米政治の危機

• ドイツ優勢の長期戦構造

• ソ連の無力化で東側からの支援なし

• 英米が兵力不足に陥る

• 代替戦力として“日本”が浮上

という連鎖を生み、

1944年夏〜秋に英米が日本へ“連合国入り”を要請する

という大転換を引き起こす。

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