表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/25

ノルマンディ上陸作戦(1944年)

◆【全体像】

あなたの世界のノルマンディ作戦は

ドイツが東部から十分な戦力を移せたことで

“史実では起きなかったレベルの強固な防御と反撃”が成立し、

連合軍は上陸橋頭堡の形成に失敗する。

結果として

**ノルマンディは“ダンケルクに匹敵する上陸失敗”**となり、

連合軍は欧州戦線で最大の危機を迎える。

以下、作戦発動前から撤退決定までを詳述します。

---

◆【 1】作戦前夜(1944年6月上旬)

▼ ソ連の反攻が無い → 英米は単独で正面突破しなければならない

本来ならソ連の大攻勢バグラチオンがドイツを東から崩すはずだったが、

この世界では ヴォルガで膠着し、ソ連には攻勢能力がない。

英米は東からの圧力が期待できないまま

“対ドイツ戦線の全てを自分達だけで突破するしかない” という状況に追い込まれてい

る。

▼ ドイツ軍は史実より強化された大西洋壁

• 東部戦線が安定しているため装甲予備の温存が可能

• 88mm高射砲・155mm沿岸砲の再配置

• レーダー網が健在

• パンツァーレーア師団・第21装甲師団が西部に完全残存

つまり史実のような「西方は空洞」という状態は一切ない。

---

◆【 2】D-Day前夜:天候悪化と計画の遅延

史実同様、6月初頭は悪天候続きだったが、

この世界では悪天候がさらに長引き、上陸波を乱す要因が増大。

英米司令部アイゼンハワーは延期の余裕がなく、

「最悪の条件での強行上陸」を選ばざるを得なくなる。

▼ この時点でドイツ側は既に“ノルマンディ方面”を強く警戒

情報戦で欺瞞が史実ほど効いていないため、

ロンメルも Rundstedt も ノルマンディを主攻候補の一つとして重視。

---

◆【 3】D-Day当日(6月6日)

◆ 早朝:空挺部隊の大規模散乱(史実以上)

悪天候で輸送機編隊が乱れ、

英米空挺師団は史実の2倍以上の範囲に散乱。

• 目標の橋梁爆破に失敗

• 主要交差点占領に失敗

• ドイツ機甲師団の前進を阻む封鎖線が作れない

これで **ドイツ装甲部隊が“計画通り動ける”**ようになった。

---

◆ 海岸上陸:砲台がほぼ健在

史実では事前空襲で多くが沈黙したが

この世界ではドイツの西側レーダー網が健在で、

空襲を受ける直前に砲兵・人員の移動が行われたため損害が少ない。

特に:

• ポワント・デュ・オック沿岸砲台

• ロンメルが強化したコンクリート陣地

• 88mm/155mmの直射陣地

がほぼフル稼働。

◆ オマハ海岸:史実の“地獄”がそのまま現実に

• 砂州を乗り越えられない

• 上陸艇の1/3が沈没

• 戦車支援が不足

• 第二陣が大混乱

結果として:

オマハは“戦術的失敗”ではなく“戦略的失敗”に発展する。

上陸戦力の半数近くが壊滅・散り、橋頭堡が形成されない。

---

◆【 4】D+1~D+2:ドイツ装甲師団の本格反撃

ここからが史実最大の違い。

史実ではドイツの反撃は

• 装甲予備が少ない

• カレーに兵力拘束

• 東部戦線への兵力吸い上げ

などで不十分だった。

だがこの世界では:

★ ドイツは最初から2個装甲師団を上陸点近くに展開できる。

▼ 第21装甲師団が英軍橋頭堡に突撃

水際で戦車戦が発生し、英軍は橋頭堡を拡大できない。

▼ パンツァーレーア師団が米軍のオマハに殺到

海岸に押し込まれた米兵に対し対空砲(88mm)と

パンター戦車が容赦なく迫る。

米軍は 海岸線での包囲・圧迫 により増援を受けられなくなり、

“海岸での逆上陸(撤退)” を検討せざるを得なくなる。

---

◆【 5】D+3〜D+4:連合軍の補給が崩壊

連合軍の生命線である人工港“マルベリー”は

この世界では ドイツ砲撃と悪天候の複合で破壊。

補給が断たれ、

戦車・砲兵・弾薬の投入が停止。

これにより:

• 圧倒的な火力差

• 装甲戦力の不存在

• 兵の士気低下

• 上陸地帯の圧縮

から、連合軍は前進どころか 生存すら困難。

---

◆【 6】D+5〜D+8:連合軍、撤退決定

英海軍と米海軍は「上陸船団を維持できない」と判断。

大量の兵が海岸で押しつぶされる前に撤退を決断する。

これは史実のダンケルクに匹敵する“海上大撤退”

結果:

● 損害

• 戦死・戦傷:約18〜22万

• 捕虜:約4〜6万

• 戦車・車輛・火砲の8割以上喪失

• 上陸計画の根幹が完全崩壊

● 連合軍の戦略的敗北

英米は“欧州に足場を築く唯一のチャンス”を失う。

---

◆【 7】ドイツ側の評価

ドイツ軍は

「史実では不可能だった“上陸撃退の完全成功”」を達成。

• ヒトラーは西方戦線の安定に自信を持つ

• 宣伝省は“第二のダンケルク”として喧伝

• ドイツ国民の士気が大幅に上昇

• ドイツはさらに東から兵力を転用して西方を強化

この時点で

“欧州大陸はドイツの牙城として固定化” される。

---

◆【まとめ:この世界のノルマンディ作戦とは】

■ 史実の成功要因(ドイツの東部多忙・予備不足・欺瞞成功)が全て逆転

■ 連合軍は橋頭堡形成に失敗

■ ドイツ装甲部隊の迅速反撃で上陸戦力が海岸で潰される

■ 連合軍は大規模撤退

■ ヨーロッパ戦争は“ドイツ優勢の長期戦”に突入

そしてこの悲劇が

英米に「日本を連合国に引き込む必要性」を感じさせる最大要因

になっていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ