ノルマンディ上陸作戦(1944年)
◆【全体像】
あなたの世界のノルマンディ作戦は
ドイツが東部から十分な戦力を移せたことで
“史実では起きなかったレベルの強固な防御と反撃”が成立し、
連合軍は上陸橋頭堡の形成に失敗する。
結果として
**ノルマンディは“ダンケルクに匹敵する上陸失敗”**となり、
連合軍は欧州戦線で最大の危機を迎える。
以下、作戦発動前から撤退決定までを詳述します。
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◆【 1】作戦前夜(1944年6月上旬)
▼ ソ連の反攻が無い → 英米は単独で正面突破しなければならない
本来ならソ連の大攻勢がドイツを東から崩すはずだったが、
この世界では ヴォルガで膠着し、ソ連には攻勢能力がない。
英米は東からの圧力が期待できないまま
“対ドイツ戦線の全てを自分達だけで突破するしかない” という状況に追い込まれてい
る。
▼ ドイツ軍は史実より強化された大西洋壁
• 東部戦線が安定しているため装甲予備の温存が可能
• 88mm高射砲・155mm沿岸砲の再配置
• レーダー網が健在
• パンツァーレーア師団・第21装甲師団が西部に完全残存
つまり史実のような「西方は空洞」という状態は一切ない。
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◆【 2】D-Day前夜:天候悪化と計画の遅延
史実同様、6月初頭は悪天候続きだったが、
この世界では悪天候がさらに長引き、上陸波を乱す要因が増大。
英米司令部は延期の余裕がなく、
「最悪の条件での強行上陸」を選ばざるを得なくなる。
▼ この時点でドイツ側は既に“ノルマンディ方面”を強く警戒
情報戦で欺瞞が史実ほど効いていないため、
ロンメルも Rundstedt も ノルマンディを主攻候補の一つとして重視。
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◆【 3】D-Day当日(6月6日)
◆ 早朝:空挺部隊の大規模散乱(史実以上)
悪天候で輸送機編隊が乱れ、
英米空挺師団は史実の2倍以上の範囲に散乱。
• 目標の橋梁爆破に失敗
• 主要交差点占領に失敗
• ドイツ機甲師団の前進を阻む封鎖線が作れない
これで **ドイツ装甲部隊が“計画通り動ける”**ようになった。
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◆ 海岸上陸:砲台がほぼ健在
史実では事前空襲で多くが沈黙したが
この世界ではドイツの西側レーダー網が健在で、
空襲を受ける直前に砲兵・人員の移動が行われたため損害が少ない。
特に:
• ポワント・デュ・オック沿岸砲台
• ロンメルが強化したコンクリート陣地
• 88mm/155mmの直射陣地
がほぼフル稼働。
◆ オマハ海岸:史実の“地獄”がそのまま現実に
• 砂州を乗り越えられない
• 上陸艇の1/3が沈没
• 戦車支援が不足
• 第二陣が大混乱
結果として:
オマハは“戦術的失敗”ではなく“戦略的失敗”に発展する。
上陸戦力の半数近くが壊滅・散り、橋頭堡が形成されない。
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◆【 4】D+1~D+2:ドイツ装甲師団の本格反撃
ここからが史実最大の違い。
史実ではドイツの反撃は
• 装甲予備が少ない
• カレーに兵力拘束
• 東部戦線への兵力吸い上げ
などで不十分だった。
だがこの世界では:
★ ドイツは最初から2個装甲師団を上陸点近くに展開できる。
▼ 第21装甲師団が英軍橋頭堡に突撃
水際で戦車戦が発生し、英軍は橋頭堡を拡大できない。
▼ パンツァーレーア師団が米軍のオマハに殺到
海岸に押し込まれた米兵に対し対空砲(88mm)と
パンター戦車が容赦なく迫る。
米軍は 海岸線での包囲・圧迫 により増援を受けられなくなり、
“海岸での逆上陸(撤退)” を検討せざるを得なくなる。
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◆【 5】D+3〜D+4:連合軍の補給が崩壊
連合軍の生命線である人工港“マルベリー”は
この世界では ドイツ砲撃と悪天候の複合で破壊。
補給が断たれ、
戦車・砲兵・弾薬の投入が停止。
これにより:
• 圧倒的な火力差
• 装甲戦力の不存在
• 兵の士気低下
• 上陸地帯の圧縮
から、連合軍は前進どころか 生存すら困難。
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◆【 6】D+5〜D+8:連合軍、撤退決定
英海軍と米海軍は「上陸船団を維持できない」と判断。
大量の兵が海岸で押しつぶされる前に撤退を決断する。
これは史実のダンケルクに匹敵する“海上大撤退”
。
結果:
● 損害
• 戦死・戦傷:約18〜22万
• 捕虜:約4〜6万
• 戦車・車輛・火砲の8割以上喪失
• 上陸計画の根幹が完全崩壊
● 連合軍の戦略的敗北
英米は“欧州に足場を築く唯一のチャンス”を失う。
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◆【 7】ドイツ側の評価
ドイツ軍は
「史実では不可能だった“上陸撃退の完全成功”」を達成。
• ヒトラーは西方戦線の安定に自信を持つ
• 宣伝省は“第二のダンケルク”として喧伝
• ドイツ国民の士気が大幅に上昇
• ドイツはさらに東から兵力を転用して西方を強化
この時点で
“欧州大陸はドイツの牙城として固定化” される。
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◆【まとめ:この世界のノルマンディ作戦とは】
■ 史実の成功要因(ドイツの東部多忙・予備不足・欺瞞成功)が全て逆転
■ 連合軍は橋頭堡形成に失敗
■ ドイツ装甲部隊の迅速反撃で上陸戦力が海岸で潰される
■ 連合軍は大規模撤退
■ ヨーロッパ戦争は“ドイツ優勢の長期戦”に突入
そしてこの悲劇が
英米に「日本を連合国に引き込む必要性」を感じさせる最大要因
になっていく。




