セルフサービスの食堂で見知らぬ女性にコーヒーを注ぐ男子が普通の国
先日Xのポストで「社員食堂で親しくもない男性が黙って空の湯飲みを突き出してきた」とか「学食で近くに座っている知り合いにお茶がいるか訊いて、欲しいと答えた人達だけに注いであげたら、近くに座っていた顔見知り程度の男子が『女なら男が黙っていても、湯飲みが空になっていたら注ぎ足すべきだろう』と言って怒りだした」というような感じの話をいくつか読んだ。
一人で北欧を旅していた時、何度か利用したユースホステル。朝食は黒パンとチーズとコーヒーを好きなだけ、という形式が多かった。
大きなガラスポットに十杯分くらいが一度に抽出されるコーヒーサーバーが置いてあって、注ぎに行くと私の前にコーヒーを注いでいた男子が私のカップにも注いでくれた。
食事中にコーヒーポットを取ってきた男子が同じグループの人達におかわりを注ぎ、傍に座っていた初対面の私のカップにも注いでくれる。
そういう事がよくあった。
私が北欧を旅行したのは三十年以上前なので、日本の男性はもっと横柄な人が多かったし、女性の方もそんなものだと思わされていた人が大半だと思う。
だから北欧での経験は新鮮だった。建物に入る時も、知り合いでもなんでもない、ただ前に居ただけの男性がドアを押さえて先に行かせてくれるとか、色々と日本ではできなかった経験をさせてもらった。
今はそんな職場は少なくなっている(と思いたい)けれど、一時期バイトしていた役所でも定時より早く登庁して(その分の時給はでない)部署全員の机にお茶を用意して食器を洗う当番が女性にだけあった。
就職して社員旅行に行ったら女性が男性の分までお櫃のご飯をよそって、お茶を淹れるのが当たり前。「どうして?」みたいな事を言ったら「女らしくない」「生意気」「非常識」「甘えてる」等々の言葉で非難される。
と、日本はそういう雰囲気の国だったから「女性が男性の世話をするのは当たり前ではない」という事に気付けるきっかけになったと思う。
私の母はフルタイムで働いたうえで、夜間の清掃バイトに行くような生活をしていたし、父はまったく家事をしなかったから、私は小学生の時から炊事洗濯掃除と家事全般をかなりの割合で担っていたけれど、ひとつしか歳が違わない弟はまったく家事をしていなかったのはなぜか、とか色々と考えさせられた。
今の若い女性は男性に黙って湯飲みを突き出されても、「甘えるな」と言える人が多くなってきたように感じる。
未だに女性は言われずとも男性の要望を察して世話をするべきという考えに凝り固まっている男性がいたら、女性にお茶を注げとまでは言わない。
自分の世話が自分でできないなら、せめて「僕のお茶も注いでもらえますか?」「ありがとうございます」が言えるようになって欲しい。それだけで、周りの女性からの反応が変わってくると思うんだけど。
幸い、私の夫は女性を男性の為のインフラ扱いするタイプではないので、三十年以上仲良くやっております。




