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第7話 ゴールドラッシュ


 今日のギルドはやけに騒がしい。

 いつもより多くの冒険者たちが集まっており、みんな鼻息が荒い。


 俺、ティナ、セラフィは揃って首を傾げる。

 この騒がしさの理由を知りたくて、近くの冒険者に話しかける。


「なぁ、何かあったのか?」

「おお! ルーファス! 聞いてないのか? ゴールドラッシュが来るんだよ!」

「本当か!?」

「おうさ! だから全員気合い入ってんだ!」


 ゴールドラッシュと聞いて、俺たちのテンションも上がった。

 これは一種のお祭りだ。

 上手くいけば大金持ちだって夢じゃない。


 館内アナウンスが流れ始める。

 さっきまでの騒がしさはどこへやら、冒険者たちは一斉に黙り耳を傾ける。


『ただいま、ビギン上空にてクリューソス・ヒェロナが観測されました』


 ギルドが一斉に湧き上がる。

 そして、我先へと外へ飛び出していく。


「お兄様、セラフィさん、行きましょう!」

「ああ!」

「うん!」


 俺たちも外へ。

 街は巨大な影に覆われていた。

 原因は言わずもがな、上空で停滞している巨大過ぎる亀だ。

 あれこそがクリューソス・ヒェロナなるモンスターだ。

 モンスターにしては珍しく温厚な部類で危険度はかなり低い。


 で、お目当ては奴の甲羅の上だ。

 何百、何千年も生きているのか甲羅の上は森や山ができていて、独自の生態系が存在している。

 詳しい理由は知らないが、そこからは大量の金属や鉱石、レアアイテム、希少生物が出てくるのだ。


 もちろん質によって値段は変動するが、確実に金を稼ぐことはできる。

 駆け出しの冒険者にとっては嬉しい話だ。

 少し頑張って質の良い物を集めれば、それなりの装備を一式揃えることができるのだから。


「ティナ、頼む」

「任せてください!」


 ティナが俺とセラフィの腕を掴む。

 その瞬間、景色が一変した。

 広がるのは広大な森。

 反対側には高い山がある。


「もしかして甲羅の上? 今の一瞬で?」


 セラフィがキョトンとしながら辺りを見回している。

 本来なら気球などを使って乗り込むのだが、ティナの空間跳躍を使えばこの通りだ。


「ティナ、ありがとう」

「いえいえ。この程度造作もありません」


 俺は感謝を込めてティナの頭を撫でた。

 ティナは嬉しそうに目を閉じる。

 なんて可愛い妹なんだ。


 落ち着きを取り戻したセラフィが森と山の方を交互に指さす。


「どっちを探索する?」

「そうだな、最初に森の方からにしよう。その後に山だ」

「ティナちゃんが居れば移動時間は無いも同然だから、いっぱい探索できそうね」


 そういう訳で、俺たちはまず森を探索することにした。


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