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第3話 ギルドカード更新


 翌日、俺はティナと共にクエストを受けることにした。

 生きるためには金を稼がないといけない。

 心置きなく魔術をブッ放たい。

 二つの願望を満たすのはクエストしかない。


「ところでお兄様。ギルドカードの更新はしましたか?」

「いや、していない。それに更新時期はまだ先だったはずだ」

「それがですね、つい最近ギルドカードがリニューアルされたんです。それまで名前だけだったんですが、今では個人のステータスや適性ランクまで表示されるんですよ」


 そうなのか。

 少し来なかっただけなのに随分と変わったな。

 適性ランクの表示はギルド側としてもありがたいだろうな。

 それが分かればクエストに対して適切な冒険者を振り分けることが出来るはずだ。


「ちょっとティナのを見せてくれよ」

「いいですよ。はい、お兄様」


 俺はカードを受け取って確認する。


 ーーーー


 ティナ・ファーカー 適性ランク:A


 膂力:D

 耐久:C

 敏捷:EX

 魔力:B

 幸運:E


《保有スキル》

『気配遮断』『危険感知』『空間跳躍』

『???』

 

 ーーーー


 詳しくは分からないが、適性Aということはかなり高難易度のクエストもこなせるということだろう。


「なあ、この敏捷にあるEXってのはどういうことだ?」

「これは規格外という意味です」

「なるほどな。ティナは昔からすばしっこいからな」


 恐らく空間跳躍がEXの理由だろうな。

 あれは移動速度とかそういう次元じゃない。


「ところで保有スキルのところ、一つだけ見れないようになっているけど、これ何のスキルだ?」

「そればかりは例えお兄様であっても教えることはできません。乙女の秘密です」

「さいですか」


 というわけで、俺は受付に行ってギルドカードの更新を行うことにした。

 名前を書いただけの前回とは異なり水晶玉に手を置けと言われた。

 これで情報を読み取るらしい。


 時間にしてわずか数十秒。

 水晶玉が得た情報をギルドカードに記録する。


 俺の情報が書き込まれたギルドカードをチラリと見た職員が信じられないと言った表情を浮かべる。


「え? 嘘……こんなの見たことない……」


 かすかに震える職員からギルドカードを受け取り確認する。

 


 ーーーー


 ルーファス・ファーカー 適性ランク:S


 膂力:S

 耐久:S

 敏捷:S

 魔力:EX

 幸運:E


《保有スキル》

『大精霊の加護』『龍の加護』『幻獣使役』

『???の寵愛』

 

 ーーーー


 何だこれ?

 ステータスの高さに驚愕してしまった。

 俺は魔力保有量には自信を持っていたが、それ以外のことは普通だったはずだ。

 自分が急激に強くなった気はしない。

 いつも通りだ。


 それに気になるのは保有スキルだ。

 ここに記されているのはオスニエルたちが持っていたスキルだ。

 それがどうして俺のところに?

 というか、最後のスキルなんだよ?

 知らない奴から寵愛受けてるんだけど。

 なにこれ怖い。


 困惑していると、ティナがギルドカードを覗き込み、納得したように頷く。


「お兄様ならこれくらい当然です」

「当然って。どうみてもおかしいだろ」

「そんなことよりクエストに行きましょう、お兄様」


 まぁ、あれだ。

 きっと水晶玉が不具合でも起こしたんだろう。

 別に人に見せるものじゃないしこのままでいいか。


「ああ、そうだな」


 俺たちはクエストボードを確認して、モンスター退治のクエストを選んだ。


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