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第七話『風呂』

風呂。

それは、縄文時代より存在したと言われている文化の一つである。

平安時代には庶民にも広がり、入浴が施された。

…そう!日本人には欠かせない文化なのであるっ!

前世ではあんまり入ってなかったケド。

そんな過去のことはいいんだよ。

過去は振り返らない。未来を見ればいい。


と、言うわけでですね、初の大浴場です。

いや、お湯に浸かったことがないわけではないのだよ。

そんな不衛生では断じてございません。

ちゃぷちゃぷって、ちゃぷちゃぷって…、浸かるだけ。

何が癒やしじゃい?誰がリラックスできる?

だぁれが、人様に助けてもらって入りたいといった?

もう、耐えられないのだ。

屈辱も甚だしい。

羞恥心だぁ?そんなものは裸体を拝まれたときからゴミ箱にポイッて捨てなさいな。

感情を無くせば羞恥心なんて感じなくなる。

諦めの境地。

無の骨頂。

この生活じゃ、溜まらなくてもいいストレスも溜まる。

我慢の限界なのだよ、もうとっくに。

限界は超えるものだ!なんてかっこいいことを言うんじゃない!

はい、先生。超える必要のない限界はどうしたらいいのでしょうか?

待つしか無いのでしょうか?

そんな日々も、もうおしまい!

最高!

体が大きくなったから、初の部屋以外での湯浴みなのです。

そんな素晴らしい提案をしたリリーと一緒に入るのだが…、


感想を一つ。







【     遠くね?    】







屋敷が広いのは十分承知だ。

エスカレーターとエレベーターと動く歩道が必要なぐらいの広さなのはわかった。

だがしかし、フランシアの部屋の真下だと言うのに、

客室の前は通っては行けないだとかなんとかで遠回りしなくてはいけないのです。

移動で運動になるよ?

この体だと。

まぁ、汗をかいた方がその後のお風呂は気持ちよくなるからね。

すっきりするもんね。




えーやって参りました!

大浴場!

「フランシア様、随分とご機嫌ですねぇ!私も嬉しいです」

「だって、お風呂だよ?今まで…あー、なんでも無い」

「?…、ではフランシア様、お召し物を脱がさせて頂きますね」

え。身ぐるみ剥がれるの?

慣れた手つきで行動するリリーに抵抗虚しく、丸裸にされた。

「では、私も脱ぎますねぇ」

「おうぇ?」

変な声出ちゃった。仕方ない。

これは宿命なのだ。

目に焼き付けねば…!



むふふ。よし、眼福。



竹(?)の床でできた脱衣所を抜けて、お風呂である。

「おおぉぉ…!」

「どうですか?公爵様のお屋敷のお風呂は広いですよねぇ…。私も、最初は驚きましたよぉ、実家との格差がでていて…。ま、この話はフランシア様には関係なかったですね。気にしないでくださいな」

「おおう…」

そんなデカいのか、ここ。

それにしても、高そうなとこだな。

大理石…?いやこの世界にはないのかな。

大理石でできた床。

神殿にありそうな柱頭。

ローマ神殿っていったらわかるかな?あれ。

ランプ型の魔道具が明るくしている。

シャワー…は流石に無いか。

このまま入るのにはちょっと抵抗があるのだがな。

「では、綺麗にいたしますね。フランシア様、少しの間目を瞑ってくださいますか?」

「えっ。こ、こう?」

「はい。そのままですよぉ、すぐ終わりますのでぇ」

話してる暇があるのならやって欲しい。

「【温水霧(ワームヴァサーミスト)】」

「!?」

温水?

いや、シャワーなんて無いのに…。

あっ!魔法か!

「はい、もう大丈夫ですよぉ」

「リリー、今の何?」

目を開けて、得意げな顔をしたリリーにそう聞いた。

「ふふふ。今のは魔法です。あっ、フランシア様は初めてですよね」

「ねぇ、今の…魔法!教えて!お願い!」

「いいですよぉ!お任せください…あ、でも湯浴みが終わってからですよ」

「はーい」

楽しみ!魔法にこんな使い方があるとは…盲点。


「あら、フランシア様!御機嫌よう」

専属侍女(スペツィアルメイド)の子か?

「あなた達…、仕事は?割り振ったでしょう?」

リリーがガチモードのようだ。ちょっと怖い。

「主任…、仕事はちゃんとやりましたよう!ただ、時間があったから、お風呂に入ろうって話になりまして」

「まったくもう…、フランシア様の御前じゃなかったら、仕事を増やすところですが、いいでしょう。

 フランシア様の可愛さに免じて許します」

「ありがとう存じます。主任」

「「ありがとう存じます!主任」」

リーダーのような子を筆頭に、感謝を述べる。

「リリーって、偉い人だったんだね」

「それほどでもございませんよ、フランシア様に比べれば」

「そりゃ、おr…、私とは違うだろうけどさ」

「まぁ、あなた達も入りなさい」

「承知いたしました」

「「はっ」」


「まぁまぁ、フランシア様、お可愛らしいです…」

「あ、ありがとう?」

なんてことだ。リラックスどころか、興奮している自分がいるのが怖い。

「自己紹介がまだでしたね…主任?」

「良いでしょう」

「はい。えーでは改めまして、私はジュリエです」

「はいはい!私はべヴァラです!」

「あ、私はカリクレトと申します」

「よろしくね」

「「はいぃぃ!」」


キャピキャピした女子トークをおえて、

脱衣所を通って、後悔している。


何故かって?




















のぼせたからだよ。

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