第四話『体力』
おはようございます。
魔力枯渇でぶっ倒れてから翌日ですね。はい。
魔力は回復…しているのかな?
なんか現在の魔力総量を測定する機械とかがないから何にもわからないのだが。
ステータス表示、とか無いのかな?異世界だったらあってなんぼ何だけど、。
今考えるとめっちゃ便利だよね、ステータス。
ほとんどのこと書いてあるもんね、あれに。
昨日のことを思い出してみる。
いやあぁ、あれで倒れるとは思わないよねぇ?誰も。
こんなもんなんだろうか?
自分の世間知らずがすぎるのか?
だって、あれだよ?人差し指の第一関節もないような火で!意識を落とすんだよ?
継続は力なりって言うけどさぁ、何年かかるんだろね、これ。
…、想像したら怖くなってきた。
まぁ、でも、魔法が使えるということがわかっただけ発見か!
うむ!
そう考えよう!
魔法なんてロマンの塊が使えるんだもの!
フュー(脳内で口笛に変換してお楽しみください)!
異世界、さいっこう〜。
テンション上げてこー!
« ガチャッ »
「あら、フランシア様、お早う御座います。フランシア様は早起きでいらっしゃいますねぇ。ご機嫌なご様子で何よりです」
「ああぅー(リリー)」
「えっ!今、ご挨拶してくださったのですか?!なんと賢い赤子なのでしょう~、流石はフランシア様ですわ!」
今、部屋に入ってきたのは専属侍女の一人の【リリー】。
言っている言葉を聞いたら分かるように、フランシア全肯定マン(女性だけど)である。
赤みがかった茶髪をお下げにしていてとても可愛いし、似合っている。
自分にあった髪型をするのが一番だよ。ほんと。
リリーも勿論なのだけれど、もう慣れたとはいえ、この世界は顔面が良すぎるのだ。
おかしい。とてつもなくおかしい。
日本だったら、自分は外に出たくなくなっていただろう。
だって今まで会ったなかの全員が顔面偏差値65は余裕で超えてる。
みんんんんな可愛いし、かっこいい。
はぁぁぁ、非常に眼福であります。
はい、合掌。
前世では侍女なんて考えたこともなかったけど、さすがは公爵家ですね。
いや、公爵家だけに限らず、貴族はこんなもんなのかもしれないけど。
給料とかどのくらいなんだろうか。
結構貰えるのだろうか。
給金の話はさておいて、
次女のフランシアに10人ほど(顔と名前が一致しないため正確な人数は不明)の専属侍女さんがついてくれている。
その中でも、身の回りの世話を中心に行ってくれているのがリリーなので、一番親しみやすいのだ。
因みに、まだ仕事や業務をしないため、執事はついていません。
執事は、マネージャーみたいな感じなのかもしれません。
魔法の進展なのだが、魔力量は回復しており、体調も変化なし。
問題がない。健康体が一番だよ、何事にも。
…、いやあったわ問題点。
リリー達がついたことにより、魔法の練習なんてしている暇がない。
監視の隙が見当たらないのだ。
ずっっっと見られている。
1日中誰かわからない人の視線を感じるなんて気持ち悪いんだよなぁ。
それが仕事だから、仕方ないことは十分わかっているんだけど。
と、いうことで!今日は、魔法の練習は一旦おいておいて、体力づくりをします。
ま、することなんてほとんど無いにも等しいんだけど、。
まずは、手や腕の運動。
グーパーグーパー。最初は赤ちゃんだから全然できない。
思ったとおりに動かせないっていうよりかは、体の反応がとてつもなく遅い。
慣れたら、まぁ動かせるようになるでしょう!淡い期待だ!うむ!
次に、足腰。
エアランニング。
ランニングよりかはサイクリングのほうがしっくりくるかな?
自分が自転車に乗っていると思って、足を動かす。
『え、これだけ?』
と、思われても仕方がないだろう。
けどな、こちとら首も座ってないしで下手に動かせないんだよ。
怖いから!たぶん痛いし!
だから、他の部分を運動して体力をつけるのだ!
« 体感 15秒 »
ヤバい。これだけでも、はぁ、結構、ふぅぅ、きついっ、かも…。
はぁぁはあぁぁ、ちょっと、はぁ、休憩ぃ。
ラジオ体操…いつになったらできるようになるんだよ、このままだと。
足と手を同時にバタンッとベットに落として、天井とにらめっこ勝負を開始する。
ちょっと変顔してみたり?
まぁまぁ、表情筋のトレーニングですから。
十分堪能したところでふと我に返る。
「(なんでこんなことしてるんだろ…)」
急にバカバカしくなってきた。
別に急いで体力が欲しいわけでも無いのにね。
そうだよね、なにも一日でやらなくても別に誰も何も言ってこないしね。
だって、赤ちゃんだもん。
今はフランシアなんだもん。
何もしないっていう選択肢もあるけども。
こんなんで筋肉や体力が付いてるのかは不明だけど、
「(楽しい…)」
ふふっ。体が子供になった影響で考え方も子供っぽくなってるのかもな。
…。
「(よし、やるか!体力づくり)」
« コッ »
「あぅっ(痛って…)」
その後、足を思いっきり上げすぎて、寝かされているベッドの角に小指をぶつけたのは言うまでもない。