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Alius fabula Pars38 アルモニアにて

聖魔法王国アルモニア。

ディバルの遊び場と化した大陸とは別の場所に存在する大陸の国家だ。

龍神信仰が盛んで、この大陸では巨大な勢力を持つ。

代々女系一族で子孫を残すために婿を取っているが、その選出方法は占いだ。

歴代の婿からは毎回苦情が出るが一笑に伏して強引に進める女系教祖一族である。


歴代の姫は成人となり、聖女の資格を得ると婿探しの旅に出る習わしだ。

したがって王位はおよそ二十年弱から長くとも三十年ほどだが、現在は長期政権が続いている。

現在の国王は人族ではなく長命種だ。

過去にも長命種の国王は存在したが、姫が婿を連れて帰ってくると世代交代が行われるのだ。

現在の国王は早く世代交代したいのだが、姫が長命種と発覚した時点で長期政権が決まってしまったのだ。


実際問題として姫は現在、齢八十を超えている。

しかし、見た目は十歳程度の幼女にしか見えないのだ。

しかも、その娘が二人存在する。

皇太子や子供たちが多いのは、どの国も同じだろうが現在は二人しかいない。


その国王の次女が祖母の作った秘密結社を継いで極秘裏に肉体整形を行っているのだ。


ディバルは魔法を使い肉体整形する具体的な所作を見学する為に、国王と担当地区の龍人に根回しして準備していた。


その巨大国家の首都にある小さな喫茶店に訪れていた人外の者だ。

ディバルは店が進める薬草茶と焼き菓子を楽しみながら、店内の人達を観察していた所、待ち合わせの人物がやってきた。


「待たせたか?」

「早かったな」

「そりゃ、アンタの頼みだからな。遅れる訳が無い」

「そうか。じゃ行くか」




この国の国王を内密に呼び出して、一緒に向かう先は秘匿される場所だ。


誰もが目にする場所にある建物だが高い塀が有り、門番が駐在し出入の際には検閲される。


普段は立ち入る事のない国王だが、この建物の所有者から指示が有り緊張して国王の訪問を待つ門番達だ。

そこに現れた二人連れの男達。


門兵に声をかける男。

「おい、連絡が有ったと思うが中に入りたい」

「なんだ、お前たち。ここは立ち入り禁止だ。近寄るな!」

「用が有るから来たのだが・・・」

「うるさい‼︎近寄るな捉えるぞ!」

そこにディバルが声をかけた。

「おい、ちょっと来い」


門から遠ざかり二人で話す。

門番達は当たり前だが馬車で護衛達と一緒に国王が訪れると思っていたからだ。


「なぁ、歩いて来たから分からないんじゃないか?大体門番が国王の顔知ってるか?」

「ええっ、知ってると思うけどなぁ・・・しょうがない、連絡してみるか」


多少不満げな国王は紙とペンを取り出してスラスラと書き、その紙を袋に入れて唱えた。


「娘のベルダーに」


しばらくすると門が重々しく開き、兵士と神官らしき者達が大勢出てきた。


「へ、陛下‼︎大変失礼致しましたぁぁ‼︎」

「構わん、行くぞ」

「本当に申し訳ありませんでした。門番は厳罰を与えますのでお許し下さいませ」

管理者達は非礼が自分達にも及ばないかと保身しか考えていなかった。


「ふん。門兵を呼べ」

すると先程まで威勢の良かった門兵が青ざめて震えながら現れた。


「「先程は失礼しましたぁぁぁぁ!」」


頭を大地に擦り付け平伏して謝罪する門兵達は自分達のやらかした事を知り、死を覚悟していた。

良くて職を失って厳罰に処せられるか、最悪の場合は死罪になると予測していたからだ。


「お前達、よくやった。これからもお前達が怪しいと思う者はこの屋敷に入れる事のないようにしろ。それがお前達の仕事だ。誇りに思え」

「「・・・!!、ははぁぁ」」

その瞬間、自分の耳を疑ったが、即座に返事で返す二人だ。


賛辞を言い残し、国王と関係者達は屋敷の中に入っていった。





「お前達、いい加減に泣き止め」


他の門兵が苦言をかけるが一向泣き止まない二人だ。

国王を門前払いした門兵は号泣していた。


国王に対しての非礼で死を覚悟したが、賞賛を得て誇りまでもらったのだから、二人の感情は昂りとめども無く感激の涙が流れていた。


「俺は一生陛下に付いてい行くぞおぉぉぉ!」

「俺もだぁぁ、一生この屋敷を守るぞぉぉぉ!」


この二人は自分達のしでかした非礼と国王の寛大な配慮を自慢したくて街中に言いふらし、国王の評価を上げて門兵の向上心を沸き立たせる事となる。





その屋敷は貴族らしい庭園があり建物は然程大きくは無いが、隅々まで手が行き届いている様に感じられたのがディバルの第一印象だ。


屋敷の中に入ると責任者が出迎えてくれた。


「お父様、お待ちしておりました」


比較的質素な衣服を着て、屋敷の配下総員が出迎えていた。


「久しぶりに来たが変わってないな」

「奥はいろいろ変わってると思うよ」

「そうか。ベルダー紹介しよう。俺の友人でディバルだ。ディバル、俺の娘のベルダーだ」


「初めまして国王陛下の娘で次女のベルダー・シャイニングと申します」

「ディバルだ、今日はよろしくな」

「・・・はい。では当館の案内をさせて頂きます」


屋敷の責任者が自ら案内してくれた。


でも門前払いされるとショックだよなぁ・・・

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