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デスパラ=神として転生したオジサンは下界でパイ作り職人を目指す=  作者: 流転小石
第1章 異世界的紆余曲折
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第22話 新たな街作り

女神様に間違って召喚されたと思っていた魂は、新たな身体と世界の知識に魔法を手に入れた。

面白そうな四人を見つけて眷属にしたのは退屈凌ぎのためだ。

そんな四人を二班に分けて課題を出した。


“それぞれ担当する国を今よりも高度な文化にせよ”


悪戦苦闘しているようだが見ていて退屈しなかった。

前回の人魔大戦以前からも種族の衝突はあり、小さな戦闘はいつも起こっていた。

王国側の魔物は、先に手を出してきたのは人族だと言い張る。

帝国側の人族は依頼によって駆除しただけだと言い張る。

双方の主張は平行線だ。

とは言え、末端の弱小魔物と中堅以下の冒険者たちだ。

そこで一つの案を出す予定だ。


殺害を禁止とした闘技会で優勝した者が四年間の自治王となる街の権利を与えるものだ。

勿論、厳格な取決めが有り違えると自治王でも死罪となる法だ。


そんな自治王の街は賭博と商業を基盤とさせる為にバレンティアに頼み魔法で用意する予定だ。

場所はどの王城にも距離が有り空白地帯だが帝国と王国の境目だ。

二千人程が暮らせる街の予定だが、直ぐに倍々に住民は増えるだろう。

何しろ、人と魔物が共存出来る街だから。

自治王の手腕で種族寄りの優位性は出るはずだか、四年後には種族が変わる可能性がある。


そして目玉は毎月行う職種別闘技大会で、十の職種に分類して頂点の英傑を争ってもらう。

その英傑十人が自治王を目指し争う事となるが、通常の戦闘による対戦はさせないつもりだ。

そんな事は安直で在り来たりだし、つまらないからだ。

勿論優劣を決める勝負の内容は考えてあるが、その時までのお楽しみだ。

その戦いの具体的な選出方法は箱に入れられた玉に書いてある数字で相手を選定し争ってもらう。

十人居るので合計八回争うが、決勝戦は”三人”での争いで一番の盛り上がりが期待できそうだ。

この為、初回である今回は自治王が居ないので、初戦で勝った一人が一試合免除される事となるが、これも運を手にする者の強さとする。


また頂点の英傑同士が競い合う試合が進むと決勝戦は結果的に、自治王、次席、三席の名誉が与えられる事となる。


更に毎月行う職種別闘技大会は予選段階を通過した時点で賭博が始まるのだ。

当代が残るか新たに入れ替わるかが、掛けの対象となり毎月行われるからだ。

今後、仮に当代の自治王や十傑が、頂点を争う戦いで敗れたとしても自治王の座は変更無いが十傑は入れ替わりが生じる事となる。

自治王は四年間安泰なのだ。

万が一、自治王が急死した場合はフォルティス帝国とケレプスクルム魔王国の国王が協議の上でどちらかが代理を勤める事となる。

この国での賭博は職種別闘技大会の順位だけとし、十傑と自治王が管理者とする。


初年度は賭博券の販売に倍率や換金は、それぞれの職種を対象としてギルドにサポートしてもらい、次年度から十傑の管轄とし管理する事とする。




そんな構想を用意して龍人のバレンティアを呼び出した。


「お呼びでございましょうか、ディバルシス様」

「バレンティア。お前に作ってもらいたい物がある」

「何なりと、ご用命くださいませ」


ディバルは構想をバレンティアに説明した。

「それは面白い試みですな、競技場はどのくらいの大きさにしましょうか?」

「この大陸で一番大きいのはどの位だ?」

「一番は”グラディオ国”の楕円型闘技場でございます」

「そこは何名収容できる」

「そうですねぇ・・・ざっと五千程かと思われます」

(意外と少ないなぁ・・・いや多いのか?)

「そうか・・・じゃ倍はどうだ?」

「御心のままに」

そう言ってバレンティアは頭を垂れた。


(具体的な大きさがピンと来ないけど、いっか・・・)

「それで場所だが・・・」

「ご要望の地であれば、めぼしい場所がございます」

「そうか、案内してくれ」


バレンティアと一緒に転移した先は森に隣接した草原だった。

草原側を見渡せば遠くまで何も建造物が無く、森は鬱蒼としていた。

強いて言えば近くに川のせせらぎがある程度だ。


「何も無いがそれが良い。なかなか良い場所だ」

「喜んでいただけると思っておりました」

「建物の様式は任せるがこの大陸に見合ったモノにしてくれ。あと英傑たち専用の部屋と集う場所や、専用の食堂とか全て専用の作りにしてほしい」

「畏まりました」

一般的な闘技場は地下一階から地上十階ほどあり、”グラディオ国”の闘技場も同様だ。


「俺専用の部屋は西側を背にして、全てと隔離してくれ」

「御心のままに」

「街は闘技場を囲む形で二階建てだ。それを四重の輪で作ってくれ。中の仕様は全て同じだ」

「一階はどうしますか?」

「そうだな。店も多く作るだろうからハコだけで良いだろう。そうだ、便所は多く配置してくれ」


「ディバルシス様、英傑の階と称して闘技場の最上階を円形で繋げて行き来するのはどうでしょうか?」

「その方法で作れるのなら良いな」

「お任せくださいませ」

「国賓は他国を(なら)って二階か?」

「はい、どこの闘技場も二階もしくは三階に設置しております」

「なぁバレンティア、闘技場は戦うだけだよな?」

「はい?」

「なんかこう、勿体なくないか?」

「はぁ?」

「戦わない間とか夜の宴とかさぁ、女性が艶やかに踊ったりはしないのか? 音楽隊を配置してさぁ、そんなのしないのか?」

「はぁ・・・この大陸では聞いた事が有りませんが・・・」

「そうか・・・」

前世の記憶を元に、何かしらのコンサート的な事は行っているのか確認したのだが、そこまでの文化水準では無かったようだ。


「ディバルシス様、闘技場は何時頃完成させれば宜しいでしょうか?」

「これから眷属に説明するから、もう少し先だな。それよりも、作るのにどのくらいの期間が必要だ?」

「周りの環境も含めれば五日あれば大丈夫かと」

「流石に早いな。バレンティアに頼んで正解だな」

「多少スキルが使えるだけなので、たいしたことではありません」

「謙遜するな。お前は十分に貢献しているぞ」

「は、有りがたきお言葉」

「ふむ、では後日連絡するからな」

「は、お待ちしております」


グラディオ国・・・いずれ行ってみようか。

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