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デスパラ=神として転生したオジサンは下界でパイ作り職人を目指す=  作者: 流転小石
第1章 異世界的紆余曲折
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Alius fabula Pars22 帰国

デクストラとシニストラを引き連れて転移して来たのは龍国だ。

ディバルが転移したのは龍国で大神と呼ばれているスプレムスの居住区に近くにあるディバル専用の転移場所だ。


スプレムスに念話で確認を取り、居住区に一人で入って行った。

デクストラとシニストラは転移場所で待機だ。


「どういう事だぁ!! スプレムスッ!! 何故かってにスキルを付与してるんだぁぁ!!」

激怒して言い放った。すると

「だってぇぇ、全然帰ってこないしぃ、眷属や子供たちを増やして自分ばかり楽しそうな事して・・・」

愚痴を言いながらモジモジするこの世界の神様だ。


「だ、だからと言って勝手にスキルを付与するな!」

「付与はしてません・・・発動させただけです」

実際には龍国に存在する全ての魔法はディバルの知識として記憶させてあるが、全てを認知していないからだ。


(えっ、勝手に発動させることが出来るのかよ・・・)

「とにかく、俺の知らないうちにスキルを勝手に発動させるなっ、いいかっ?」

「はぁぁい」

明らかに反抗的な返事だった。


スプレムスの態度は二人の関係性が”親密”になった事が原因である。


「お前は俺の行動を監視してるだろ?」

驚いた表情のスプレムス。

コッソリと内緒で見ていた行為が知られていたからだ。

「俺が何処にいて何をしていてもお前には丸見えのはずだ」

「・・・」

「そんなに下界の者達と接触するのが嫌なのか?」

「だってぇ・・・」

それ以上は神の威厳が勝り、口には出さなかった。


ディバルにはスプレムスの懸念を理解していた。

ディバルの股間を顕現させる為には、二人の魔素と合言葉と言う魔法が必要なのだ。

だが顕現させようと思えば方法が無い訳では無い。

そして、下界での交流が発展して不要な者との接触を警戒しているからだ。


「監視だけでは不足なのか?」

「・・・」

黙って首を横に振る。

(こいつ、最初の頃の威厳はどこ行ったんだぁ? すっかり”かまってちゃん”になってるぞう)

もじもじと恥ずかしそうに上目づかいで凝視していたスプレムスだ。

「・・・じゃ今後は三十日に一度程度は戻る事を約束する」

「本当!!」

「あぁ、ただし都合の悪い時は先延ばしだぞ」

「やったぁぁっ!!」

まるで子供の様に喜ぶスプレムスだった。

(二、三日滞在するか。あの二人にも伝えないと・・・)


スプレムスの世話係からデクストラとシニストラに伝言が言い渡されて、ディバルが呼び出すまで龍国に待機している間は世話係が国内を案内してくれると言う連絡だ。


もっとも二、三日のはずが倍の日数になって解放されたディバルだった。






テトラが両手で持つ館にある広い庭では四罪の女子たちが自主訓練をしていた。

距離を置いて配置した練習用のゴーレムにそれぞれの魔法を使って練度を上げる訓練だ。

魔法の扱いは、本体でも変身した状態でも同じだが、現在の変身した状態で魔法と対人格闘訓練を行い、獣人状態に戻った時に対人戦闘訓練を予定しており四凶も同様だ。


格闘訓練は敵対する者の攻撃を(さば)いていなす方法であり、戦闘訓練は効果的に殺傷する方法である。


基本的には単独行動を予定しているが、仲間との連携も訓練させてある。

訓練は一対一と一対多を基本とし、二対二も練習する。

女子の中ではサンミャオが一番のお姉さんなので、組長に任命してある。

「みんな大分魔法が上達して来たよね」


ファンドゥの身体能力強化魔法、飛火(ファイアフライ)、中級土魔法と、グェンの中級魔法攻撃無効化、飛火(ファイアフライ)、中級風魔法は効果が目に見えて解りやすいからだ。

ゴンゴンの中級魔法攻撃無効化はともかく、猛毒攻撃はゴーレムの反応が解らない点と、魅了魔法は対象が居らず、ウルサからも成人して人族に使うまで使用禁止を言い渡されている。

サンミャオも同様なので、もっぱらゴンゴンと体術の訓練を行っていた。


「私の身体能力強化魔法はゴンゴンにも付与できるけど、貴女の中級魔法攻撃無効化も付与出来たら良かったのにさぁ」

「だって仕方が無いじゃない、出来ないもん」

「まぁ単独行動の時はみんな自分の能力だけだからねぇ」

「あぁぁ、早く成人したいなぁ」

「それも仕方ないよ。時間が経てば成人するわ」

「折角、魅力の魔法があるのに使えないなんてねぇ」

「本当、あの二人は魔法バンバン使って楽しそうだし」

視界に入るファンドゥとグェンがそれぞれ二種類の魔法を使って訓練している。


「早く大人になって人族を全~部魅了してやるんだぁ」

「私もぉ~」





四凶の少年四人は、四罪と同じく庭の片隅でウルサの指導を受けていた。

四凶組長は年長のフェントゥエンだ。

フェントゥエンは変身解除後の盲目状態を想定して(本人はまだ知らない)布で目隠ししてゼンチ魔法を使い、チョンジィとタォティエ相手に格闘訓練している。

身体能力強化魔法を発動したフェントゥエンの攻撃は、物理攻撃無効化が常時発動しているタォティエには効果が無く、タォティエの中級雷魔法を放っても中級魔法攻撃無効化が常時発動しているチョンジィに効果は無い。

チョンジィの身体能力強化魔法は同じ魔法を使うフェントゥエンに相殺されるが、ゼンチ魔法が全方向の攻撃を教えてくれるのでチョンジィの攻撃は当たらない。

このような三すくみ状態で永遠と訓練させられていた。

もっとも、集中力が切れて隙を見せると恐ろしい攻撃が来るので、三人とも真剣なのだ。


チャオウゥの攻撃は特殊なのでゴーレムに各種初級魔法を連発し、一回の戦闘もしくは一日の魔法攻撃回数を数えている。

初級魔法でも劣等感を抱かないのは、中級魔法攻撃無効化を発動させたチョンジィとタォティエを相手にウルサが初級魔法だけを使い圧勝した事に由来する。

“目くらまし”の代わりに初級の炎魔法を使って相手を翻弄し、絶えず移動しながら敵に近づいて刃を向けたのだ。

その為、一回の魔法攻撃の威力よりも、使える魔法をどのようにして工夫するか術者の知識と経験が勝敗を左右する事を教えられたのだ。

またチャオウゥの状態異常攻撃は仲間に使用する事は禁止になっている。

成人後に魔物や人族での訓練を受ける予定だ。



ウルサが四罪四凶に命じたのは常に戦闘態勢を緩めない事だ。

食事の時も寝ていても、仲間と一緒でも油断せずに即座に戦闘できる体制で心がけ、気配を感じ取り一瞬で動き出す事である。

しかし一つだけ例外が有り、屋敷の全員が”崇める存在”の前では全ての殺意を無くして平伏し、どのような命令も従う事だ。



「よおぉぉし、今日の訓練はここまでとする」

ウルサの訓練は日が沈みかけたら終了で、子供たちは汗を流しに大浴場へ向かうのが恒例となっている。


男女別に別れた風呂場では汗でベトついた身体を洗い流し、全員が湯船に浸かっていた。

少年たちは

「しかしさぁ、俺たちの訓練って本当に強くなってるのかなぁ?」

「あ、俺も思ってた」

「仕方ないさ、対戦相手は俺たちか、たまにウルサ様が相手してくださるけど、歯が立たないしな」

「人族ってどのくらい強いのかな?」

「でも最初は魔物と訓練だろ?」

「そう言われてたよなぁ」

「俺・・・負けたくねぇ」

「俺も・・・」

「俺だって、絶対皆殺しにしてやるんだ」

「じゃあさ、もっとウルサ様に直接相手してもらうように聞いてみようか?」

「お前、正気で言ってるのかぁ? ウルサ様に勝てる訳無いだろう」

「別に勝つ必要は無いさ。もっと鍛えてもらうのさ。人族なんて一撃で倒せるほどにさ」

「「「おおおおっ!!」」」

全員が共感し同意したようだ。

「よし、次の訓練の時に聞いてみよう」


少女たちは

「だけど貴方達ってさぁ、無駄に胸がデカいわよねぇ」

「あぁ、それ私も思ってた。訓練の時に邪魔じゃない?」

ファンドゥとグェンは普通の女性体形だ。

「そんな事無いよ」

「別に邪魔だとは思わないわ。まぁ走る時は多少跳ねるけどねぇ」


子供達全員がメイドの用意した普段着を着用していて訓練用の服も存在し、ゴンゴンとサンミャオは豊満な胸部を布で巻き付けて固定した上で服を着用している。


「それよりも新しい戦闘服見たぁ?」

「見た見た、カッコいいよねぇ。成人前から訓練らしいよ」

「でも、あたしのは袖が無かったよ」

「私だけスカートなのはどうしてかなぁ。それに下着も無かったし・・・」

「えぇ、下着無いのぉ!? 聞いた方が良いよゴンゴン」

「みんな下着も有ったの?」

ファンドゥ、グェン、サンミャオはうなづいた。


「うっ、今度ウルサ様に聞いてみる・・・」



四悪四死たちはメイド達の監視の下、幼子の魂が成人の体に慣れさせるため遊ばせてある。


ツンパ・・・無い。どうして・・・


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