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デスパラ=神として転生したオジサンは下界でパイ作り職人を目指す=  作者: 流転小石
第0章 世界の全ては誰かに設定されている
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Alius fabula Pars 14 下界で準備

現状で全ての準備を終わらせて、下界でのカタストロフィ・ポイントまでの時間を待つだけとなっていたが、我慢しきれずに散歩に繰り出そうとしていたディバルだ。

スプレムスが用意した仮面も装着しての出で立ちだった。


「行ってしまうのね・・・」

「ああ」

「しばらくは戻らないの?」

「お前が呼べばいつでも来るさ」

「本当に?」

スプレムスの問いかけに、うなづくディバル。


「あの計画は本当に良いのですか?」

「ああ、お前たちに任せる」

「お気を付けて・・・行ってらっしゃいませ」

「行ってくる」


あの計画とは、新たな属性眷属をテネブリスとアルブマの協力で創生する事だ。

巨大な中央広場から出ると待ち構えていたのは、スクリーバ、ウルサ、シニストラとデクストラだ。

マリンキファはウルサに収納しており目視は出来ない。


「では一旦下界の住処に移動するぞ。スクリーバ」

「はっ、では全員で転移致します」





スプレムスが創生した第一世代は後の世で古き神々と呼ばれ、世界の対極を観ている。

第二世代の使徒も同様だが、第一世代である創生者の世話をしている。

第三世代は使徒が創生した最初の生命で、龍国内では神々と認識されているが実務担当だ。

第四世代は龍人であり、様々な指令をこなしている。

そして第一世代に加える存在を新しく創生せよと創造神からの命令が下された。


しかし、それに異を唱える者がいた。

新種創生に反対したのはアルブマだった。

これは流石にスプレムスも驚いたが、アルブマには一計が有ったからだ。

現在龍国では下界の魔素を集めて国内に保管中なのだ。

大神であるスプレムスの魔素も無限ではない。

第一世代に第二世代も定期的に自分たちの魔素を蓄える為に保存しているのだ。

その内容を聞いたディバルは、前世の献血と似た行為だと感じていた。


スプレムスが過去のように一体で創生するのは、不測の事態が起こった場合には危険だと進言したのだ。

勿論、対応案を用意しての事だ。


「お母さまが根源を創造して、わたくしとお姉さまが二人で魔素を与えますの。以前よりも成長がずっと早くて魔素の消費も少なくて済みますわ」

微笑んで説明するアルブマの眼には欲望が宿っていた。


(お姉さまとの創生・・・やっと叶う時がきたわ。ありがとうございますディバルシス様)


龍の創生には沢山の魔素が必要だが、スプレムスの作る基礎となる創生核に姉と二人で魔素を与える案だった。


確かに、以前の様に体内の半分以上の魔素を使って創生するよりも、娘たちの力を使った方が危険度は低いし効率的で効果が期待できると感じたからだ。


ただし異なる属性を掛け合わせて創生される新たな龍種だ。

どのような危険があるのかも解らない方法だ。

しかし姉との共同創生を強く望んだアルブマは、全ての責任をもつ覚悟で母であるスプレムスと対峙して説得したのだ、この提案を創造神と協議して欲しいと。


新しく創生するのは電気と磁気であり電磁の眷属だ。

これは神としてディバルの要求がスプレムスを納得させたからだ。

必ず将来必要になると。

設定能力は第一世代と使徒の中間で、時間をかけて眷属を増やすことになる。


国内の研究課題は、より微細の探究と無限の宇宙に視野を広めていて、この創生を許可すれば他の共同創生も求められる事もアルブマは想定済で進めていた。


“あの女”が黙っているはずがない。

幾つかの対抗策を練って、その時まで温存するアルブマだった。


可愛い妹だが、最愛の姉に横恋慕するセプティモ。

可愛かった姿はどこに行ったのかと嘆くが、妖艶な立ち振る舞いで”最愛”を誘惑するかの様に見えていたからだ。





ディバル達一行が転移して来たのは、バレンティアに作らせた屋敷の庭に続く玄関前で屋根付きの広い空間だった。

屋敷の往来で“転移の際はこの場所から”とディバルが決めた事だった。

部屋からの転移も考案したが、不測の事態以外は玄関から出入りする事にしたのだ。


ディバルはスクリーバとウルサにバレンティアが共同で作成した屋敷と移動用ゴーレムに何度も訪れていた。

三体からは、創造神に相応しい建物や、調度品を用意すると進言が有ったが、下界の一般的な物を用意しろと命令した。

用意してあったのは下界で手に入る最高級の物だったが不問にした。


そして館の世話をする者達の配置だ。

スクリーバとウルサが用意した龍造生命体であるホムンクルス四体だ。

全員金髪碧眼で顔と背格好が同じだから髪形を変えて名前としている。

ロングス、ブレビス、カウダ、ドゥオと命名した。

主に屋敷の掃除に警備と不審者の排除、配下への給仕をしてもらう。


屋敷は二階建てだが天井が高く、実質四階分の高さがある。

全て大理石で作られており屋敷内は魔導具の明かりが灯されていた。


「なかなか良い感じになったな」

ディバルの一言で眷属は微笑んだ。

調度品を選定して持ち込んだのはスクリーバとウルサにバレンティアだったからだ。

スクリーバとウルサは精霊王なので調度品の知識は無い。

そこでバレンティアに頼んだのだ。

バレンティアが持ち込んだ様々な調度品を選定して、各部屋に配置したのがスクリーバとウルサだ。

厨房はホムンクルスとバレンティアが中心に考案したそうだ。

何故ならばディバルとスクリーバとウルサは食事を必要としないからで、配下や食事を必要とする者を呼んだ場合に調理するための厨房なのだ。


改めて完成した屋敷を見回った後で散策に出る事を宣言したディバルだ。

「ちょっと近場を見てこようと思う」

「お供いたします」

「我もお供いたします」

「本当に近場を見るだけだし、運動がてらだぞ?」

「我らは常にアルジ様の側に」

「・・・そうか」



厳密に言うと屋敷は下界ではない。

下界の大地に立ってこその散歩であり散策なのだ。

更に龍国では確認出来なかった身体能力を調べる事だ。

能力の把握は死活問題である。

それは数値では無く、体感して認識すべき事なのだ。


よく使うであろう魔法は体感したので、現在は”魔法を検索する魔法”を常時発動させている。

膨大な数の魔法を意識で検索し、即座に発動させる補助魔法だ。

ディバルが使用している常時発動魔法は複数である。



ディバルはゴーレムの足元に転移した。

スクリーバとウルサも一緒だ。


ディバルが確認したかった身体能力は脚力と腕力だった。

龍国で試した時は、自らの放つコブシの連撃が見えなかったし、走ると凄まじい速度だからだ。

そこで下界ではジャンプ力と、何か固い物を殴ってみたいと思っていた。


(まずはジャンプか・・・思いっ切り行くか・・・)

膝を曲げて飛び上がろうとした瞬間・・・ズボッ。

「えっ・・・」


脚が大地にめり込んでいたのだ。

「我がアルジよ、土の上より石の上の方が堅いのでそちらを進める次第です」

「そ、そうだよなぁ・・・ははは」


改めて大きな岩の上から勢いよくジャンプすると、岩が粉々に崩れてしまった。

そしてディバルは・・・遥か上空を上昇していた。

(・・・取り合えず戻ろう・・・このままだと成層圏超えそうだし・・・)


気を取り直して岩を殴ってみた。

「それっ、えっ・・・」

サラサラと崩壊していった。


スクリーバとウルサに保管してある適当な剣と盾を持たせて切りかかって来いと命令したが、そんな不敬な事は出来ないと断固として断られた。


それならば構えるだけだと指示して剣と盾に殴りかかると、岩と同様に崩壊していった。


「一体どうなってんだ、俺の体はぁ」

「我らがアルジ様であれば、この程度の事は造作も無いと存じます」

「ん? この程度とは?」

「は、最近開発が成功した原子分解ですな」

「げ、原子分解ぃぃぃぃぃ!?」

「左様で御座います。つい先日完成したとの報告があり、大神様がアルジ様へ実装されたと連絡がございました」

(聞いてねぇよ・・・)

「解除は出来るのか?」

「現在は任意の標的と敵対対象に対しての常時発動となっておりますので、解除する事も可能かと」

「はぁ・・・今後、スプレムスが俺の為に発動させた魔法は、即座に教える様に。いいな!?」

「「御意」」


殴るだけで崩壊するなんて・・・どんだけぇぇ!!

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