4話 ゴブリン強襲
オレたちの目の前には驚いたことにゴブリンがいる、この状況は異世界転生を確信づけた。
「古川さん、逃げましょう。」
「いやよ、こんな夜中に森の中でどこに逃げるのよ。」
もっともだ、暗い森の中で地場のゴブリンから逃げ切れるはずもない。
「で、でもどうするんですか?戦うんですか?相手棍棒みたいなの持ってますし・・・。」
「やってやるわよ!さあ、かかってらっしゃい。」
「なっなにを言ってるんですか~。せっかく死ななかったのに、殺されちゃいますよ~。」
「佐藤くん、安心してワタシこう見えても大学時代薙刀部に所属していて全国大会個人戦1位の成績をおさめてるのよ。」
「えっえ~そうだったんですか?」
それは知らなかった、サキエさんがそんなにすごいお方だったなんて。
ゴブリンたちはサキエさんに向かって棍棒を振りかざした。しかし、サキエさんはこれを余裕綽々で避けて木の枝で目を叩く。
ゴブリンたちは一目散に逃げていった。
「すっすごい・・・」
「うーん、木の枝だとリーチもないし、威力に欠けるわね、これが限界。」
(これが限界って、薙刀持たせたらもっとすごいのか?)
「古川さん!ありがとうございます。助かりました。」
「佐藤くんね~男の子でしょ?ビビってたらダメよ。」
「すっすみません。」
とりあえずサキエさんのおかげで一難が去った。そう思っていた矢先に更に多数の足音が聞こえてきた。
「やばっ!仲間連れてきたかも?」
「えっえ~~!」
その予想は的中した。ゴブリンたちは仲間を連れてきたので、目測で20から30、棍棒のほかに錆びた剣、弓まで持ってきている。
「古川さん、これは逃げましょう!嬲り殺されるよりはマシですよ。」
「そうね、逃げましょう。」
オレたちは振り向いて逃げようとしたが、後ろも数匹のゴブリンに囲まれていた。
「これは、まずいわね‥。」
オレたちは絶対絶命の状況に陥ったのだった。