23話 奴隷商人
オレたちは町の奴隷商人を訪ねた。
「ごめんくださーい。依頼を受けた冒険者一行ですけど。」
『おー初めまして、奴隷商人をやっている”アハブー”です。キミたちが最近噂の冒険者か!メンバーは老人とお嬢さん、普通の青年だが仕事は早くて精確だって。』
「あら?そんな噂されてんの・・・。」
奴隷商人アハブーは少し華奢なひげを生やした普通のおじさんだった。もっと怖い性格をイメージしていたが、意外と気さくで明るい感じだ。
『頼りにしているよ3人とも!』
「して、ワタクシたちはどのような仕事をすればよろしいのでしょうか?」
『はい、家の納屋の方に奴隷が10人ほどいるんですが、それらを明日までに隣の街に届けなければいけないんですよ。』
「ふむ、そのものたちの護衛ということですな。」
『まあ、道中に魔物がいるらしいので、それら護衛してもらうのもありますが、奴隷の反乱があった場合にワタシを守ってほしいのですよ。』
「・・・なるほど。」
クラディウスさんもサキエさんも納得のいかないといった表情をしている。奴隷のことを考えると奴隷商人を守るというのは不本意なのだ。
『では、そろそろ出発いたしましょうか。』
オレたちは奴隷を引き連れて街を出た。
「アハブーさん、この奴隷の方たちはどうして奴隷になったんですか?」
サキエさんは早速、アハブーに聞き込みをした。
『ん?さぁ、どうだったかな?借金を返せないもの、蛮族の子供を誘拐してきたり様々だな。お嬢さん奴隷に興味あるのかい?』
「えぇ、転生者の奴隷に興味があって・・・。」
『あぁーそういう人もいるね!お嬢さんもなかなか渋い趣味をしているね。』
「・・・ありがとうございます。」
サキエさんの顔が引きつっている。
『申し訳ないけど、今いる奴隷の中には転生者はいない。』
「そうなんですか、ざんねんです。」
『だけどね、これから行く街には転生者の奴隷を所有しているお客様を知っているよ。』
「えっ!本当ですか?」
『あぁ、見て見たいかい?』
「ぜひとも!」
『よし、護衛が成功した暁には、持ち主に会わせてあげよう。』
「はい!ありがとうございます!」
さすがはサキエさんだ。早くもこんな有力な情報を得た。
こんな話をしながら、旅は無事に続いた。
次第に空は暗くなり、オレたちは道中の村の馬小屋に泊めてもらうことにした。
オレたちはそこで眠り、夜が明けると大変なことが起きていた。