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15話 冒険者ライセンス

 オレとサキエさんはまず、冒険者のライセンスを取得するためのお金を用意した。ライセンスはそんなに高くないと言っても、5000フールもする。この金額は市民の平均月収の3分の1ほどで仕事についていないオレたちには到底払える金額ではないのだが。

 

 「ねぇねぇ佐藤くん。あのランスね都で流行りの”女とヤれるランス”なんだって、人気が凄いからけっこう高値で売れちゃった!」

 

 「なんですか・・・ヤれるランスって?」

 

 「なんか、ランス持ってる冒険者ってカッコイイからってゆう理由で女の子に人気らしいの。で、その中でも奪ったあのランスは装飾がいっぱい付いていて、女の子に絶対的な人気なんだって。」

 

 「あーそれで、女が寄ってくるってことですか。雑誌の裏とかに掲載されている怪しい石みたいな感覚ですかね。」


 「あはは、多分それね(笑)。でも、これ生産待ちで需要が高いからって30000フールで買い取ってもらっちゃった。」

 

 「30000フール!?すごいですね!」

 

 サキエさんは超上機嫌だ。

 

 「あの、へぼ槍使いにはもったいないわね。」

 

 さて、オレはどうしようか・・・?と思っていたらクラディウスさんが何か包みを持ってきた。

 

 「サトウ様、こちらをどうぞ。」

 

 「!?」

 

 中身はお金だった。それも結構な金額だ。

 

 「こんなの頂けないですよ・・・。」

 

 「これはアナタのお給金です。毎日、訓練されていたではありませんか。」

  

 「そんな・・・訓練してただけですし。」

 

 「ホントよね、毎晩税金で酒池肉林してたくせに。むしろ金返せっての。」

 

 サキエさんの言葉が胸に刺さる!

 

 「その件は勘弁してください~。」

 

 3人に笑いが起こる。

 

 「いえ、もらっておいて下さい。これはワタクシからのお礼でもあります。宮中から外に出れる日が来るなんてもう無いと思っておりました。そのきっかけを与えてくれたお礼です。」

 

 「そうなんですか?じゃあ、ライセンスの資金だけいただきます。」

 

 オレは5000フールだけもらって、お礼を言った。

 

 「よし、佐藤くん。ギルドへ行って登録しましょう。」

 

 こうして、オレたちはライセンスを取得するために都のギルドへ向かった。

 

 『ようこそ!ライセンスの取得ですね。それでは、名前と年齢、所持する装備、血判の登録と5000フールのご準備をお願い致します。』

 

 「年齢か・・・こんな世界でも個人情報の登録はしっかりしているのね。」

 

 オレたちはギルドのカウンターへ行き、登録をお願いした。


 「クラディウスさん、所持する武器なんて登録するものなんですか?」

 

 「えぇ、武器を内所に大量所持をしたりされると面倒ですし、国宝級や伝説の装備を勝手に持ち歩かれても困りますからね。結局、武器の所持の管理をするためです。」

 

 「なるほど。あれ?でも薙刀って登録できるのか?」

 

 それは予想通りで受付のお姉さんが困っていた。


 『サキエ様この”ナギナタ”というのは何ですか?装備のどのカテゴリーに該当しないのですが・・。』

 

 「これよ、この前そこの訓練場で決闘した時に使った武器よ!」

 

 『あーあの時の使い手さんですか!あれはお見事ですた。しかし、どうしましょう?そちらの武器は剣?槍?弓?でもなさそうですし・・・。』

 

 「じゃあ、槍でいわ。適当に登録しておいて。」

 

 『まぁ、大丈夫でしょう。承知致しました!』

 

 えっ!?そんな適当でいいの。心配して損をした・・・。

  

 こうして、オレたち3人は無事にライセンス登録を完了した。 

 

 「さて、これで仕事はいろんな町で出来るから路銀にも困らないわね。」

 

 このライセンスで連合国内ならばどこの町でも仕事を受けれるので、依頼をこなせれば食いっパグれることはないはずなのだ。

 

 「ところで古川さん、これからどこへ向かうんですか?日本へ帰る情報たって漠然としすぎていて・・・。」

 

 「うーん、そこはとりあえず転生者を探して会うのが一番じゃないかしら?」

 

 「帰れないからこの世界にいるわけで同じ境遇の人にあっても仕方なくないですか・・?」

 

 「あんたね!ネガティブすぎるのよ!とにかく情報は足で稼ぐものよ。」

 

 出た!営業魂!このスイッチが入ったサキエさんは誰も止められない・・。

 

 「おふたりとも、ワタクシからの提案があります。」

 

 「「??」」

 

 「情報ならばやはり人の集まるところが一番かと・・・。」

 

 「「それってつまり?」」

 

 「つまり、連合国の中心フランツ王国に行くということです。」

 

 「なるほど!たしかにそれが一番よさそうね。さすが、クラディウスさん!」

 

 クラディウスさんの言う通りだ。人が多く集まるところには情報が多く集まる。そこに行けば何か手がかりが見つかるかもしれない。

 

 「それでは、おふたりともワタクシのアイデアでよろしいですかな?」

 

 「「はい!」」

 

 こうして、オレたちの目指すところが決まり、冒険者としての第一歩を歩み始めたのだった。

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