第36話 火蓋
俺は豪華な応接室的な場所で椅子に座り、食事を取っていた。
てかなんでこんな豪華な所に待たされたんだろ?
まぁ、いっか。
さてと装備とアイテム類の確認っと。
そういえばMPポーションはくれるのかな?
くれるとうれしいな。
(装備は……天女シリーズでいいとして、武器も〈賢王の叡杖〉でいっか。問題はアイテム類だな。どこまで使っていいんだ? ”エリクサー”や”秘薬”なんかはヤバそうだな。それ言うと俺の【蘇生魔法】も駄目か。【ニヴルヘイム】を使ったからある程度の魔法は大丈夫として、後々面倒になる魔法は控えないとな)
貴族や教会とかから言われそうだし。
そんな面倒なことはお断り願いたい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ミリーさんに案内されて城壁から出る。
外では忙しそうに戦闘準備を整えていく人々がいて、それを見て俺は少し申し訳なく思いながら、意識は別のところにあった。
(あれはバリスタ? それにあっちは大砲? なんか色々と凄いな……)
あいうのが魔道具っていうやつなのだろうか?
「ではユキさんこちらでお待ちください。それと彼らがユキさんを守るAランクの者達です」
剣士2人と魔法使い1人のパーティーだ。
「どうもこのパーティーのリーダーである”レオン”です」
「初めまして”リュー・クイントン”です」
「……”ウルム”です」
「……よろしく、ユキです」
軽く会釈しておく。
互いが挨拶するのを見届けたミリーさんはこちらに軽く挨拶をして去って行った。
まぁ、ギルド員は忙しいだろうからな。
「それでユキさん、俺たちに言って置くこととかある? なければこっちで勝手に護衛するけど?」
「……MPポーションって貰えるの?」
「それならリューがアイテムボックスを持っているから大丈夫だ」
「……あとは、私に、近寄らせないで。人も、魔物も。ポーションだけ、渡してくれれば、あとはやるから」
「分かった。じゃあ、側にリューを置いておく。ユキさんに近付けさせないのは俺とウルムでやる。それでいいかな?」
「……ん」
それぞれの役割を明確にして、あとは魔物が来るのを待つばかり。
その前に軽く体操でもしとこ……。
動く気は無いけど万が一があるかもしれないからな。
まぁ、近接型じゃないから意味ないと思うけど。
そんな時城壁の上にいたギルマスが大声をあげた。ちなみに拡声器みたいなので、声を大きくしている。
「あと5分ほどで魔物が抜けてくる! 各々気を引き締めろ!」
それぞれが真剣な表情になり、森を見つめる。
俺が起きて30分ほど経っているから、今は大体4時30分くらいか。
まだ、日が昇っておらず暗いため、魔物の姿が曖昧だ。
だがその夥しい数は一目瞭然だった。
(さてと、今回も初っ端からぶっ放すか!)
そんな俺の思いとは裏腹に事態は動き出していた。




