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最強の魔物使い〜すみません、私の魔物知りませんか!〜  作者: 漆原 黒野
第1章 戦乱の森
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第22話 作戦会議2

 

「さて、作戦を練ろうじゃないか」

「練るつっても、大したことなんてできないだろ。AAAランクのやつが出たら、その時その時で俺たちが出る。そんだけだろ?」

「まぁ、お前達はそれでいいだろ。肝心なのは他の者達をどうするかだ」


 ギルマスの言葉に考え込む、一同。

 若干数名は考えていないが……。


「とりあえずCランク以下は後方に回した方がいいんじゃない? 戦乱の森が氾濫したんだから、Cランク以下なんて大した役に立たないんだし」

「あぁ、それは俺も考えていたことだ。今回はCランク以上が参加でいいか?」


 反対の者がいるはずもなく、決定となる。


「そうなると人数が問題だな。ちなみにCランク以上の奴らはどれくらいいるんだ?」

「どうだ、ミリー?」


 部屋にいる唯一のギルド職員。

 今更だがギルマスは冒険者の資格を持ち、その実力はSランクである。

 そう考えると、Sランクは7名になる。


「正確には分かりませんが、大体でよろしければ」

「構わない」

「はい、Cランクが300人程、Bランクが500人程、Aランクが150人程です」

「そうか」


 ここは危険度の高い戦乱の森。

 危険度が高ければランクの高い者が集まる。

 これほどの戦力が集まるのはこの国では他になく、他国で言えば”深淵の渓谷”、”闇黒島”、”紅蓮山”などの場所だろう。


 ちなみにAランクは上位と下位の力の差が激しいランクである。

 Sランクになるには最低でも一人の国王からの推薦が無ければならない。

 そのためSランクの実力があるのにAランクで留まる者が多く、そしてBランクから上がって来たばかりの新人が入り、ごちゃ混ぜになってしまうのだ。


「……戦力的には十分ではありませんね」

「あぁ、そうだな。可能性としてSランクの魔物がいるかもしれないからな」

「……そうなるとブレインさんやエリンさんはそちらに行くでしょうし、俺たちの中からも数人出す必要がありますからね」

「必要ないよ。たとえSランクのやつが出てこようと俺一人で十分だ」

「ですが……」

「まぁ、私とブレインがいれば十分でしょ。あとはミカの支援があれば余裕余裕」

「……たとえそうだとしてもAAAランクの魔物が複数出た場合、俺たちじゃ対処できない」


 その意見にはブレインもエリンも認めるため、反論ができない。

 戦乱の森に関して言えば、自分一人の力で戦況を劇的に変えることなど不可能なのだ。

 傲慢なゴルバも先程の事があるため、口を開く気配がない。

 いつもなら「俺がいるんだから平気だ」とか言いそうなものだが。


「……そういえば……よく……分からない……けど……凄いのが……いた。多分……俺なんか……より……ずっと……強い……。あの人を……ここに……呼んだ方が……良い……と思う」


 ギブルの言葉に訝しむ視線が向けられる。


「Sランクの君が認めるほどかい?」

「それならここに呼んだ方が良いんじゃね?」

「そうですね。ギブルさんが言うほどですものね」

「呼びますかギルマス?」

「そうだな……。やめておこう。正体の分からない奴を呼んで場を混乱されても困るからな。一応確認だが、冒険者か?」

「……そこまでは……分かりま……せん」

「そうか。次は……」


 話はお終いと言うようにギルマスが他の話に移ろうとした時ミリーが声を上げた。


「あの、多分ですけど、その人ってフードを被った少女じゃないですか? ギブルさんがここに来る前にぶつかった……」

「……そう……だけど」

「……なんだミリー知っているのか?」

「はい。昨日冒険者登録をした”ユキ”と言う人です。そして登録初日にコングベアーの死体を持ち込んだ人でもあります」


「「「「「!!!!」」」」」


 ミリーの言葉に誰もが息を飲んだ。

 コングベアーを倒せるだけの実力があるのであれば、冒険者で言うところのSランクに相当する。

 今は緊急事態。戦力はあるほどいい。


「……コングベアーを倒すだけの力があるなら、Sランク以上の力があるってことか」

「そうなりますね。ちなみに倒したのは使役している魔物だそうです。あとは支援や回復が得意だとか」

「……使役している魔物は分からないの?」

「正確には召喚師らしいので、魔物自体を見ることはできませんでした」

「じゃあ書類とかないの? 申請しないと魔物って街に入れちゃ駄目でしょう?」

「……そこまでは調べていませんので……。昨日登録したばかりで、依頼も受けていませんし……」

「でもコングベアーを狩るだけの実力がある魔物を使役しているのよ。調べる必要性があると思うけど」

「ですが我々ギルドが過剰なまでの冒険者の方々を詮索するというのは……」

「……確かに難しいね」


 ギルドは規則として冒険者個人の情報を無闇に詮索することはご法度なのだ。

 それに冒険者とは素性のしれない、または怪しい者を受け入れる、受け皿としての立ち位置も兼ねている。そのため怪しいから、実力があるからといって詮索するわけにもいかないのだ。


「問い詰めるのもそこまでにしてほしいエリン。ミリーはしっかりと仕事をしているのだ。それを責めるのはお門違いというものだ」

「……そうね、ごめんなさい」


 エリンもその辺は理解しているため、素直にミリーに頭を下げた。


「いえ、別に謝れるほどのことでもありません」


 空気を変えるようにギルマスが一つ咳を入れる。


「そのユキっていう者も冒険者なのだ。討伐には参加するだろう」

「あのユキさんって登録したばかりなので、先程言っていたCランク以上と言うのは……」

「……非常事態だ。そのユキってやつに迎撃部隊に加わってもらえ。説得はミリーに任せる。報酬は弾むと言っておけ」

「分かりました」


 そのあともつつがなく作戦を決めていくのであった。


会議は終わり!

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