ななちゃんとおめでとうの日 【舞花ママお誕生日プレゼント作品】
本日、お誕生日の舞花ママへのプレゼント作品です。
今日は舞花さんのお誕生日です──
以前からママとお買い物に出掛けると、ななちゃんはこの日の為に、どのケーキを買おうか決めていました。
「あったでちゅ! まぁま! これにちてくだちゃい!」
「ななの大好きなイチゴさんがたくさん乗ったケーキさんね」
ショーケースに小さなおててと、お顔を押し付けるように眺めるななちゃん。
「おたんじょうびのケーチでちゅ!」
店員さんもニコニコ顔で、かしこまりましたと、小さなお客様に対応してくれます。
「まぁま? あまったらななもたべていいでちゅか?」
「それは、お誕生日の主役さんの、舞花さんに聞かないと分からないなぁ」
「……しょうでちゅか」
ななちゃんが選んだケーキは箱に入れられ、店員さんがカウンターの外へ回り込んで手渡ししてくれます。
「あぁ! なながもちゅでちゅ!」
「えぇ? なな持てるの? ケーキさんはまっすぐ持たないと崩れちゃうのよ?」
真剣な眼差しで両手を出し、大きく1回だけ、首を縦に振るななちゃん──
「まいかしゃんに、なながあげるでちゅ!」
こうなると譲らないことをママは知っているので……。
「じゃあ、なな隊員! 気をつけて運んでくださいね?」
「はいでちゅ!」
一歩一歩を慎重に、箱が傾かないように、お見送りしてくれた店員さんの”バイバ~イ”にも、気づくこと無く、ななちゃん隊員は舞花さんのもとへ向かうのでした。
◇◆◇◆◇
「……まいかしゃぁぁぁん! ななが、やってちたでちゅよぉぉ!」
玄関前から聞こえる弾むような声に、舞花さんは扉を開けてななちゃんを招き入れた。
「おたんじょうびおめでとでちゅ!」
礼儀正しいななちゃんは、ケーキの箱を抱えたまま、深くおじぎをした。
「……あっ!」
『まっすぐに持たないと崩れるのよ?』
ななちゃんの脳内に、ママの言葉が再生されています。
「……まいかしゃん、ごめんでちゅ。ななね? ばんがってもってちたけど、ケーチしゃんくじゅれたでちゅ……」
二人はその場で箱を開け、中の様子を確認してみることにした。
「……どうでちゅか?」
幸い、ケーキは傾いてもいいように、店員さんが箱に入れてくれていたようです。
「……いちごぉ」
目に入ってきたいちごを、思わず口にしてしまったななちゃん。
舞花さんはその1つを取ると、ななちゃんにあ~んしてあげました。
「まいかしゃん、ありがとでちゅ!」
ホッとした気持ちと、うれしさから、ななちゃんは舞花さんに飛び付いてぎゅうのプレゼントを贈ったのでした。
「まいかしゃんが、いっぱいニコってしゅる、いちねんになりましゅように」
舞花ママ、お誕生日おめでとうございます。
素敵な1年でありますように。