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時代背景
21世紀初頭。
赤い帝国ことソビエト連邦が崩壊することなくその体制を維持し、米ソ冷戦の対立を続けたまま2000年代を迎えた世界。
この世界のソ連も1980年代末から1990年代にかけて、やはり内政は悪化の一途をたどっていた。
農業政策やチェルノブイリ原発事故などの度重なる経済政策の失敗。終わることなき民族独立紛争問題。
これまで延命してきた赤い帝国はもはや崩壊の瀬戸際へと追い込まれていた。
時のソ連の最高権力者は「座して死を待つよりは」と、それらの内政の矛盾を外征へと振り向けることで解消しようと考え、ソ連軍を中心としたWTO(ワルシャワ条約機構)軍によるヨーロッパ侵攻作戦「バクラチオン2」を画策。
そしてその侵攻の牙は、極東で平和を保ってきた日本へも向けられようとしていた。