現在
現在は中学年の算数TT教諭として働いている。
世は、算数の時間に後ろで立っている役割である。
補佐的な立場。
担任の先生が授業をし、私は歩きながら、子どもたちの理解度を確認。必要な時に正しい答えに導く支援をするのである。三年生くらいだと、担任の先生の話が聞けるように。また、学習規律(筆箱を机の中に入れる、線を引くときは定規を使うなど)を身につけるために、全体に向かって褒める。つまり、影で授業を支えるのが、TT教諭の仕事なのである。
これが、最初は大変。今まで、担任しかやったことがない。どこまで、でしゃばっていいのか絶妙なバランスが難しい。静かに後ろに立っていれば、意味がない。とはいえ、考え方を自分が言ってしまうと担任の先生の意図に背いてしまう。ましてや、鬱病だ。担任の先生の気を悪くしないように、ドキドキしながら後ろに立っている。他人の評価が気になる自分。「あの先生はダメだね。」なんて、影で言われてないか気が気でない。
しかしながら、担任と比べれば、仕事の量なんて10分の1程度だ。家庭訪問、参観日、成績なんてない。ましてや、保護者からのクレームの電話もない。残業代が出るわけではないこの仕事。毎日日が暮れるまで働いていた担任時代に比べると、家に定時に帰って、ゆっくり過ごし、日々つまらなさを感じる。こんな生活も悪くないなと思う反面、担任としての輝きを取り戻したいという気持ちも消えてないわけではない。むしろ後者の方が強い。決して楽な人生ではない。それも十分承知。家族との時間よりも、仕事を望むなんて。ただ、担任になったらと思うと、怖くなる。また、鬱病が出てしまうんではないだろうかと。担任になって、そのリスクを負いながらも輝かしい時間を過ごすのか。TTとして、つまらなくも安定した生活を送るのか。そろそろ決断の日が迫ってくる。