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3


この世界に私はいない。

だから、世界がどうなろうとも、私には関係ない。

世界に見捨てられた私。

どうして?

どうして世界は私を見捨てたの?

わからない。

悲しい。とっても。

こんな私を救ってよ。誰か。お願い。






・・・・




・・・




・・




目覚めると、僕はまだ屋敷だった。目の前で少女がベッドに横たわっている。昨日はあの後、気がついたら壁にもたれていて、そのまま眠ってしまったらしい。僕は立ち上がると、大きく体を伸ばした。


そして少女に向けてこう言った。

「おはよう」

彼女は相変わらず、大人しく眠ったままで、返事はなかったけれど。




「おはようございます」


「!?」


少女の寝顔をのぞき込んでいると、いきなりタキシード男がやって来た。


「おや、何かお嬢様の顔に付いてましたか?」


「・・・いや、そんなことはないぞ」


「ふむ。わかっていると思いますが、お嬢様にいかがわしいことをした場合・・・この私、ただじゃあおきませんよ?」


うっ・・。こいつ目が真剣マジだ。


「あぁ・・そんなこと、わかってるさ!俺も一応、紳士だからな」


「ふむ。まあ、ご注意くださいね。ところで、どうです?習得されましたか、例のものは?」


たぶん、テレパシーのことだろう。


「・・・そ、それは・・・」


「ふぅ・・。まぁ、そんなに急かすつもりもありませんが、あなたの面倒を見るのも、タダではございませんので、できれば、お早めにお願いしますね」


「あぁ・・そうだよな。わ、わかった」


「それに」

男は“お嬢様”をチラと見る。


「こちらとしては、一刻も早くお嬢様を「助けて」もらいたいので」


そう話す男の目は、どこか哀しみに満ちた色をしていた。


「あぁ・・・。こちらも早く国に帰りたいからな。努力はするよ。」


そういうと男はにっこりと笑った(不気味だ・・・)。


「ところで、ずっと気になっていたが、あんたはあの少女の何なんだ?」


「ふふ・・・それは、そのうちわかりますよ」


ぐぬぬ・・。ったく、こいつは本当に、こっちの質問に答えないやつだ。


「・・そうか。まぁ、いいけどさ」


「ふふ。では、頑張ってください」


そう言い残し、男はまた扉の向こうへと去っていった。



ふぅ、いなくなったか。どうも、あの男は苦手なんだよな・・・。こっちの質問には答えないくせに、歯に衣着せぬやつ・・。正体も謎だし、とことんわからないやつだ・・。



まぁ、やつのことはどうでもいい。とにかく僕はテレパシーを覚えて、目の前の少女を救い、さっさと日本に帰るのだ!



なにはともあれ、まずはきちんと「養成キット」の使い方を覚えないと、話は始まらない。僕は真剣に付属のガイドブックを読み込む。


(にしても、このガイド・・・翻訳版だからか、すごく読みづらいぞ。。)




・・・



・・



それから、何時間たっただろうか。ようやく、僕は「養成キット」の使い方を理解した(気がする)。


要するにあれだ。装置の電源が入っていないまま、習得しようと必死になっていたわけだ・・。ハッハッハ。


「・・・早く気づけよ、僕。」


そして、僕は装置の電源を入れ、マニュアル通りにやってみる。


「スイッチオン!!!」


その瞬間!


「ビビビビビビビ!!!!!!」


「ぐあああああああああああああ!!!qあwせdrftgyふじこlp;@:」


あ、頭にとりつけた装置から・・こ、高圧電流がっ・・・。


「う、うあああああああああ!!!」


で、電源を・・ ・・OFFに・・ し、しないと・・・


「びびびびびびびびび!!!!」



「・・し、死ぬぅううううう!!!orz」




だが、無情にも電源を切ることが出来ず、装置から流れてくる高圧電流のおかげで、僕は意識を失うことになった。





ビビ!ビビビビビ・・・びびびびびび


(その後も電流は流れ続けた・・・のだろう)



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