白鷺澪はひっそり暮らしたい
オープニング曲「トキメキってください」
https://x.com/HanashioKikei/status/2040632557730193424?s=20
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トキメキッてください 作詞作曲編曲/花塩樹圭
T・O・K・I・M・E・K・Iって!
眠れない夜には
そっと問いかけるの
胸のずっと奥
弾むこの気持ち何なの?
キミが隣にいると
ココロが震えるの
早く気付いてよ
熱く不安なこのチカラ
本もテレビもスマホでも
未知の物語
トキメキッてください
トキメキをください
風に踊るEmotion
My lover? Prelover?
まだなんだから!
トキメキッてください
トキメいてください
もう独りっきりじゃいられない
キミは未来へ続いてる
ト・キ・メ・キ・って・Love Attention!
ト・キ・メ・キ・って・Notification!
ト・キ・メ・キ・って・Maji-na Tension!
Foooooo!
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挿絵はAI生成のモノ(場合により手直しアリ)
絵は描けませんので…
五月も終わりに差しかかった日曜日の午後。
日差しは日に日に強さを増しながらも、サラッとした風が頬を撫でていく、そんな過ごしやすい季節。初夏の気配に押されるように、街は活気にあふれ、メインストリートの歩道には絶え間なく人波が行き交っていた。
その中を、右手にはバイオリンのケース、背筋をしゃんと伸ばし、大きなストライドで長く艶やかな黒髪をなびかせながら颯爽と歩く少女が一人。廣塚望陵学園高校2年生の白鷺澪。一見して知的でクールな印象…ではあるが…
(…また胸…はぁ、私のここ、観光名所じゃないんだけどなぁ…)
すれ違う異性の目線に溜息。彼女は日ごろから異性の視線がそこを経由することにウンザリしている。
彼女は今、3歳から続けている習い事のバイオリン教室へ向かう途中であった。
「助けてーっ! 泥棒よーっ!」
遠くから悲鳴に似た叫び声。年配の女性のものだ。その声の方向から人混みを掻き分け、というより街行く人々を跳ね飛ばしながらこちらへ駆けてくる者がいる。30歳ほどの男、がっちりしているというほどではないにしても明らかに澪よりも体格はいい。左手にはひったくったのであろう、女性もののハンドバッグが握られていた。
「どけッ!」
「あれが犯人…⁈ それならっ!」
澪はバイオリンのケースを傍らに置き、両腕を広げて男の進路へ立ち塞がる。
「止まりなさい!」
「そこをどけっ!」
「あなたが手に持っているものを手放す方が先です!」
スカートのポケットに忍ばせていた指し棒を伸ばすと、足止めしたひったくりの男へそれを向けた。
「簡易ステッキ… …チッ! 魔導使いかよ」
男は上着の内側から懐中電灯に似たものを取り出し澪へ向けスイッチを入れた。
「抵抗するなら緊急行使します。雷を要素に。悪事を働く不埒な男性へ――痺れの戒めを。【雷撃のスタッカート】! …あ、れ?」
にわかに澪の顔へ焦りの表情。
(…構文が結べない…っ⁈ なんでっ⁈)
「どうした? 魔導を行使するんじゃねぇのかよ。やらねぇってならこっちから行くぜ。要素は雷…」
男は澪へ向けて右掌を翳し『構文』を詠みはじめた。
(構文っ⁈ この人も魔導使い⁈ 魔導を犯罪にだなんて!)
自分が使えないモノを相手が使える状況…にわかに、焦りで混乱している彼女の視界が黒く閉ざされた。
「何だこれ、ラーメン屋の行列か? はい、ちょっと通りますよー」
彼女の目の前を何かが横切っていく。それは…ヒト。見上げた背丈は澪よりもはるかに高いが、歳は澪と変わらない少年であろう。何しろ学ランを着ている。
(制服? 日曜なのに…)
チラッと目が合った――――ような気がしたが気のせいだった。そもそも『現場』はそれどころではない。
「【閃光雷電】!」
「危な」
もちろん澪の言葉より電気の方が速かった。ひったくり犯の右人差し指から生じた小さな稲妻はまっすぐ学ランの少年へ向かって文字通り光の速さで進む。
しかし。
バァッ…
それは少年の体に触れるやいなや、まるでビニール傘でも開いたかのように放散。散り散りに広がった電気の傘は、少年の陰になった澪からも確認できた。
「…え?」
(…今の、直撃…だったわよね…?)
「ああん?」
ただ少年は、そこで初めて不審な男がそこにいることに気付いたらしい。
「誰? あれ」
少年は男を指さし、すぐそばにいた澪に尋ねた。
「ドロボウ…みたい」
「マジか? そういうのは痛い目に遭っとかねぇといけねぇな」
と、澪に背を向けた。
「そこ、どいてよ! 私がやるから!」
「何言ってんだ。ぷるっぷるに震えてんじゃねぇか。ビビるくらいなら最初っから手を出すんじゃねぇ」
「な…」
それは事実だった。簡易ステッキを握る澪の手は震えている。魔導を『武器』とする目前の相手に、予定していた通りの構文が結べなかったことから、澪は無意識にも恐怖を感じていたのだ。
「…んですって!?」
「いいからこれ持ってすっこんでろッ!」
「ちょ⁈」
学ランの少年は持っていたスポーツバッグを澪へ押し付けるとひったくり犯に殴りかかった。
「オラァッ!」
(素手っ⁈ なんて無茶な! 相手は魔導使いよ⁈)
相手はそれをうまくすり抜けたがすでに周りは人だかり。逃げ果せぬよう囲まれてしまっている。
「何なんだコイツ… チィッ! 偶然だ、偶然に決まってる! 俺を甘くみるなよ! まずはお前からだッ!」
澪と同じように懐中電灯のようなモノを少年へ向けスイッチを押した。が。
「…クソッ、また故障かよ。使えねぇッ!」
苛立ちながらそれを投げつけるがそれは難なく躱される。しかしそれをフェイントに右手のひらを少年に翳し、そして。
「要素は炎! このガキに炎熱の衝撃を!」
(こんな人混みの中で炎焼系だなんてっ! 早くっ! …あれ…やっぱり構文が結べない…ぃっ⁈)
「【焼炎熱弾】ッ!」
「ダメッ! 避けてッ!」
澪は学ランの少年へ叫ぶがすでに炎の球塊は放たれ、彼の目前に迫る。
ギュジュッ…
火傷では済まないレベルの炎球は学ランの少年が翳した左手で鷲掴みにされ、握り潰した拳の指の間から針のように無数の火柱を立てると、まるで最初から存在しなかったかのように跡形もなく消滅した。
(なに今の消え方…魔導防壁? 違う…でも構文も無しにそんなことなんて…)
驚いているのはそれを放った者も同じ、目の前で起こったことが信じられないという様子で目を見開いている。
「まただ…何で…消えるんだ…?」
「もう終わりか? オレは平和主義者なんだがなぁ、売られたケンカなら高く買ってやるぜェッ!」
一歩踏み込んだと思った頃には学ランの少年の右ストレートが、ひったくり犯の顔面を捉えていた。
「グアっ⁈」
避ける間もなくまともに喰らった輩は歩道のアスファルトへと叩きつけられた。あまりにもあっという間の出来事に、取り囲んだ人々は唖然。
学ランの少年は路面でノビてるひったくり犯からバッグを取り上げると
「ほれ、あとはよろしく。委員長」
澪が抱えていたスポーツバッグを取り上げ、代わりに彼女の空いた両手へ奪い返したハンドバッグをポンっと持たせた。
「委員長…? って、私のこと? ちょっと待って。魔導使い相手に素手で立ち向かうなんて危険でしょう⁈ それにこれ、自分で渡しなさいよ。危ないマネをしたとはいえ、あなたの手柄なのよ?」
まるで手柄の横取りにでもなってしまいそうな状況に澪は慌てるが、見上げた少年の顔にはそれがどうしたと言わんばかりの涼し気な表情。
「そんなん知るかよ。とりま、ソイツが起き上がらないようにフン捕まえておいてくれや。そんじゃな」
「ちょ、待ちなさいよっ!」
澪の制止をよそに、学ランの少年は人垣の中へ消えてしまっていた。
「あ、ああ、それ私の! お嬢さん、ありがとうねぇ」
少年と入れ替わりに現れた年配の女性から熱烈に感謝されるが
「わ、私は別に…!」
澪はもちろん否定する。とはいえ澪の周りには人だかり。盗まれたバッグを持っていたことから「この子がひったくり犯を倒したのか!」と称賛の声が浴びせられた。
(ひぃぃぃぃぃ!? 目立っちゃってるぅぅぅぅぅぅ!?)
そこへ制服の警官が現れる。
「ひったくりがあったと聞いて!」
状況から当事者が澪ひとりということで、事情聴取で澪は交番へと「連行」されてしまった。
(ああもうっ! なんで私がこんな目に!?)
エンディング曲「厚底サンダル」
https://x.com/HanashioKikei/status/2050184791463743534?s=20
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厚底サンダル 作詞作曲編曲/花塩樹圭
キスをするとき 背伸びだけじゃ足りなくて
キミの右手はあごをくいっと持ち上げる
私サカナじゃないのよ
エモノっぽいね扱いが
棚の上にあげられた
キミのホンネを覗きこんでみたい
あと3cm あと3cm
あと3cm欲しいのよ
あと3cm あと3cm
3cmで届くのよ
きっと流行の初めは同じ理由
買ったよ厚底サンダル




