その前夜。
「あぁ、来てしまった、、、」
「我、温泉に来るのは初めてです!とってもワクワクしてます!」
「いいよな、お前はとってものんきで」
「いや忘れてないですよ?ここでドールと待ち合わせるんですよね?」
「まぁ待ち合わせるけど、、、」
断るために来たんだよなぁ
今ヒカルとパレットは普段いるはずの「アクセル」ではなく、「ブースト」という街にいる。
「ブースト」はここら辺でも有名な悪徳領主がいる街の温泉旅館で、ドールと集合ということになっている。
「まあいなさそうだし、一旦温泉に入るとするか、、、」
「そうですね!」
ヒカルは温泉に混浴がないことを残念に思いつつ、1日かかった馬車旅の疲れを癒そうと温泉に入ることにする。
「んーなんで混浴がないんだよ、、、ブクブクブク」
風呂の中でも文句を言いながら泡を出し続ける。すると、女風呂の方から声が聞こえる。
あれ、声が聞こえるほど近いのか。これは実質混浴なのでは?
という意味が分からないことを考えながら聞き耳を立てる。
「ふぅぅぅぅ温泉とはこんなに気持ちいいものなのですね、、、」
「あれ?あれあれあれ?パレットちゃん?」
ドールが背後から話しかけ、それに驚き体を震わせて、温泉のお湯で波が立つ。
「うわっびびりました!もしかしたらドールさんですか?」
「うん、そうだよー。もしかして、今日のを手伝いに来てくれた感じ?」
「そうですねー。まあこうゆう話は食べながらしませんか?今回温泉初めてで、教えてほしいです!」
「んもー♡かわいいなぁ♡」
パレットの可愛さ(?)に体をくねらせてそうな気持ち悪い言動をするドールにちょっと引きつつ、ヒカルはそろそろ入ってから1時間経ってのぼせてきた温泉から出る。
「遅いですねー。もうチェスロードを2局もやれちゃいましたよ、、、」
パレットはあまりにも長いドールの長風呂に文句を言っている、、、ヒカルとボドゲをやっていたので案外退屈していないはずなのに。
「いやぁごめんごめん。つい長風呂しちゃって。」
「じゃあ食堂に行こうか。」
「我はお寿司をお願いします。2人は何を食べるつもりですか?」
食堂につき、料理を注文し終わったパレットは2人に質問する。
「うーん。俺はピザかな。なんでかわからないけどあるらしいし。」
「私はベイクドチキンにしようかな。」
「承りました。」
「てゆうか、温泉旅館でピザなんてやってるんですね!」
「温泉旅館は「和」みたいなイメージあるんだけどな。」
「まあまあまあ、世間話はそれくらいにして、」
いつもヘラヘラしていたドールの目が光を失い、雰囲気が変わる。
「本題に移ろうか。」
「何度も言うが参加はしないぞ」
「え?じゃあなんでこっちに来たのさ!」
「いや、一応断りを入れておこうと思ってな、、、」
「そっかぁ」
「そうだな、、、」
ドールがいつもの雰囲気に戻ったはずだが、周辺には誰もしゃべらない、きまずい雰囲気が漂う。そこに終止符を打ったのがパレットだった。
「追加でグラタンお願いします!」
「お前まだ食うのかよ!」
「ドールさんのおごりらしいですよ?」
「まじか!じゃあ高級ワインをお願いします!」
「ヒカル君ってホント容赦ないよね、、、」
いやまあ久しく豪華なもの食べてないし、、、
あの後は普通に食べ終わって寝た。




