過剰反応するレーダーに苦労する話
誰が話しているかわからないのでパレットの語尾を変更しました。
「お、この洞窟か!」
「なんだかジメジメしてて嫌ですねー」
キーホルダーの姿から戻ったパレットが元ダンジョンの環境に愚痴を言う。
元ダンジョンというのは、昔からあったダンジョンが、魔力および資源が無くなり形だけになったもの。それでも、周りより魔力があるから、魔法植物がたくさんある、、、だそうだ。(図書館図書読み上げ)
「よし。はいるか!」
「いや早く入って下さい。」
「大悪魔様からどうぞ。」
「いやあんなうめき声が響き渡る洞窟なんて入りたくないんですけど!」
そう、俺らがこの洞窟に入りたくない理由。それは、明らかにうめき声が聞こえるからだ。
「あれ?ダンジョンじゃなくなったんだよね?俺が想像する敵の量の2倍くらいいるんだが?」
せいぜい数百メートルに一匹位かと思っていたが、10メートルに3,4体はいる。
「ヒカルが想像している量がどれくらいか知らないですけど、元ダンジョンはこんなもんですよ?非ダンジョン判定されてから100年は経ってますからね。」
俺らに渡された袋は現代風に言うと40Lゴミ袋くらいのサイズの袋。どうやらこれをパンパンになるまで苔で埋めろという話らしい。
「とりあえず入ろうぜ?入り口付近でとどまってても意味ないし。」
「中世世代だから明かりは松明とかかと思ったんだけど、魔道具なんだな。」
「松明の方が温かいから松明愛用者もいるんですけどね。あ、そっち行きましょう。」
「ふーん。そういえば、そんなに接敵しないんだな。」
「我がマジックセンサーを常に起動していますからね。魔力の濃度とか位置とかはある程度分かるのです。」
「そうか、それは便利だな。あ、あっちに苔らしき物があるんだけど!」
「そっちはたくさん敵がいます!」
「まじか。じゃあ、あっちのは?」
「あれも敵です!」
「あれ、、、」
「敵!」
「ふぅ。敵多すぎだろ、、、」
「あ!目の前に敵がいます!」
「まじか!でも一度は接敵してみたかったからギリセーフ!」
いきなりの接敵宣言に体を震わせ、辺りを魔道具で照らす。
「、、、あれ?」
思わずパレットが漏らした言葉を最後に、ここにはすごくきまずい空気が漂った。
しばらくの止まった空気を壊すようにヒカルが自分の疑問をパレットにぶつける。
「お前さ、、、敵がいる、って言ってたよな?」
おい、目を見ろ。相手の目を見ながら話すのって大事だと思うぜ?
「えー、苔に魔力があることを忘れていました。」
「まあとりあえず、苔をとろうぜ?」
「そうですね!」
「ふうやっと詰めれた、、、」
「頑張りましたね!」
「お前が勘違いしなければもっと早く終わったはずなのにな。」
「いやでも我のおかげで敵が来る前に隠れたりとかできたですよね!できたですよね!」
「まあできたけども、、、」
実際、動いてくる魔力は苔とは間違えようがないからなあ。
ドンっ
「あ゙ぁぁぁぁお゙ぉぉぉぉ」
「えーパレット様。これは苔なんですよね?」
ヒカルはいったんぶつかってしまったものから距離を取り、パレットに話題を回す。
「いや、今説明を求めてる場合じゃないですから!さっさと逃げないと仲間を呼ばれてこの洞窟の死傷者第何万何号かになっちゃいますよ!」
「お前後で覚えとけよー!」
全力で逃げているパレットを今までに出したことのない速度で追いかけ、なんとか洞窟から脱走した。




