シーン97魔王とは……。
俺の全身全霊をかけた拳が魔王ゼルドリスに向かい飛んでいく。
『うおおおおーーーーーーーーーーーーーっ!?』
『フン…………貴様の攻撃は威力は知れた………確かに爆発的に増すその破壊力は見上げたものだ……………だが…………………………………。』
魔王の大鎌が俺にせまろうとしていた。
(くそっ!!???魔王め………………)
俺に迫る大鎌…………しかも俺はまるで力を奪われるかのように力が入らない。
『くっ!?これは一体…………………。』
『クククッ………この俺に何故お前たちが勝てないか分かるか?』
『なにっ!?』
『この世界の力として魔力というものが存在する…………我々魔族はその魔力に秀でた万能の種族…………俺様は、その魔族の中の頂点である魔王だからだ……………』
魔王ゼルドリスはそう呟くと………その魔力を解放していく。
周囲の大気に振動が走り…………そしてやがてバチバチっと宙に火花が走る……………………………。
ゴゴゴと奴の身体にオーラが現れ……………それはやがて巨大な何かを形成していく。
俺の身体にもバチバチとその影響を感じ始める。
『くっ!?この膨大な魔力…………これが魔王の力だというのか。』
俺の身体にも伝わってくる巨大な力。
それは力のない者達にとってはその影響で倒れてもおかしくない程の力だった。
すると俺の背後にいた仲間達にもその影響がではじめる。
『お………………にぃ…………………ちゃん…………。』
『ルキ!!???』
ルキが俺の前で膝から崩れ落ちそうになっている。
俺はルキを抱き抱える。
そしてルキだけでなく仲間達も次々と崩れ落ちていく。
魔王ゼルドリスはニヤリと笑みを浮かべる。
『クククッ…………我は魔王ゼルドリス…………この世界の覇者となるべき者…………………魔力という者の象徴…………そして………魔界の王である!!!お前達を消し去り………そして早々に、この世界を我が物としてくれる…………………。』
ゴゴゴとその大鎌からは何かが這い出てきていた。
それは奇妙な姿をした魔物。
そしてなんと徐々に巨大化していくではないか。
『クククッ…………これがなんだか分かるか?』
『なっ!?なんだ一体!!???』
『こいつは魔界の中でも特殊な存在………………我が力の源となる存在……………魔神と呼ばれる魔界の神だ………。』
『魔神……………………魔界の…………………神だと。』
『ああ…………………分かるであろう?この魔神の力………………その身で感じるであろうよ。』
そう言ったゼルドリス。
だが奴の言った言葉を俺達はその身で感じていたのだ。
次の瞬間。
魔神と呼んだ者の姿が瞬時に消え去る。
『なっ!?これは!!???』
俺が叫んだその瞬間。
目の前に突然現れた魔神。
『ぐふっ!!!』
俺の腹部には突然の衝撃を感じる。
そして俺の身体は吹き飛ばされ瞬間壁へと激突してしまう。
『がはっ!!!ぐううっ!!????』
『お兄ちゃん!!????』
ルキの懸命な叫び声が聞こえる。
全身に激しい痛みを感じ…………そして意識を失いかける。
『ぐぬう……………………こんなもの…………に負けてたまるか………………。』
俺は身体を震わせ……………立ち上がろうとする。
すると次の瞬間。
ドゴンっと脳天からの激しい衝撃を受け大地に倒される俺の身体。
一瞬…………視界が真っ白になりかける。
だが聞こえてくる仲間達…………ルキの声。
魔王と………俺様に、こんな力の差があったというのか。
『くっ……………………俺は竜人の中でも最も力を有していたはずだ…………そんな俺が魔王などという存在に負ける訳には…………いかないんだ。』
俺は頭を振り……………ぼやけた視界を取り戻そうと試みる。
すると眼前に立ち尽くしていたのは魔王ゼルドリス………………そしてその力であると言っていた魔神の存在だった。
両手をつき………………俺は身体を起こしていく。
こんなところで倒れる訳にはいかない…………。
すると口を開く魔王ゼルドリス。
『クククッ………中々しぶといではないか………お前に与えたダメージでいえば………一つの国をも破壊できる程のものであるぞ。』
『俺は………それくらいのダメージでは倒れんぞ……………………竜人族……………………最強の男…………それがこの俺…………………………………………………。』
『竜王………………………………雷武だ。』
俺はスっと立ち上がり構える。
眼前にはこの禍々しい恐ろしい力を見せつけている魔王ゼルドリスが立ち尽くしていたのだ。
『そうか……………ならばここで貴様を亡きものと変え………………俺様はこの世界を支配してくれよう。』
そう言い放った魔王ゼルドリスは大鎌を構え……振り上げていく。
その時…………………………………聞こえたのはルキの声だった。
『ダメえええーーーーーーーーーーーーーーっ!?』
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