シーン96魔王の力。
『うおおおおーーーーーーーーーーーっ!?』
俺はキレてしまっていた。
握る拳に全身の力を込めた一撃………それは魔王の顔面を激しい衝撃を立て打ち放ったのだった。
『ぐううおおおっ!!!????』
出でし魔王への俺の一撃は魔王の顔面を捉え吹き飛ばす。
だが………………………………………………。
激しい衝撃に身体を浮かせた魔王はニヤリと笑みを浮かべる。
『クククッ……………貴様……………………この俺様一撃をくわえるとはな……………………。』
『オラ………………どうだ…………これが俺の一撃だ………魔王だかなんだか知らねーが………何度も俺が殴ってやる…………ルキを泣かす奴は………。』
『この俺が許さねえ………………………………。』
『面白いではないか…………』
俺は魔王ゼルドリスを目の前に構える。
魔王ゼルドリスはその姿を俺達の前にハッキリと現し立ち尽くしていたのだった。
その大鎌を手に構え。
◇
『魔王ゼルドリス…………貴様は魔族の王らしいじゃねえか…………何故そこまで精霊やヒューマンを支配しようとしやがる?』
『貴様…………………何が言いたい!?』
『この世界の神は太古に三種の種を残したと聞く…………もちろんその中の魔族を否定するつもりではない………俺達竜人族もまた………他種族から見れば脅威ともとれる力を要している……いわばお前ら魔族とほぼ変わらないであろう。』
『フン…………竜人よ…………ならば貴様にもわかるハズだがな。』
『なにっ!?』
すると魔王はその大鎌をキラリと輝かせる。
『そうだ…………………弱者は強者の支配下であるべきなのだ………世界は弱肉強食………動物達などの世界もそうだろ?弱き者は強者に虐げられ………時には食われ………時には殺される……これは自然界にとってはごく普通の摂理…………なのだ…………だから貴様らはそれを受け入れるだけなのだ……………なんの問題もなかろう?』
その言葉はこの世界の全ての生きる者にとって最悪の言葉であった。
『魔王……ゼルドリス………………貴様のそんな自分本意の話が通るとでも思っているのか!?………この俺様が…………………………許さねえ。』
俺の全身に爆炎が上がり…………魔王の力への抵抗を見せつける。
『哀れな奴だな……………やってみるがいい………先程の貴様の攻撃など…………この俺様の力をもってすれば……………無と同じだ。』
魔王の背後からは周囲に広がりを見せる闇を広げ展開させていく。
俺達は……………………………………。
◇
◇
◇
ドンっと地を蹴り俺達のバトルが開始された。
俺の右拳が勢いのまま、やつの顎下にヒットしようとしていた。
すると。
ニヤリと笑みを浮かべる魔王ゼルドリス。
『攻撃というのは……………………………………。』
突然俺の背後からなにかの重力が加わり始める。
『うぐっ!!???な、何だ…………この…………力は。』
『ダーク…………グラビティ……………………。』
魔王の声が聞こえた瞬間。
目の前には大地が見え………そして俺の身体は急激に地面に吸い寄せられる!!!!!
そして。
ドゴオオオオオーーーーーーーーーーーンっと大地に激突する俺の身体。
受け身も防御もできずに激しい衝撃を全身に受けてしまう。
『ぐあああああっ!!???』
身体中の骨が軋む音と目の前には俺の赤い血液が飛散する。
『お兄ちゃん!!???』
『兄いい!!???』
『『雷武!!!????』』
ルキ、そして麒麟と仲間達の声。
俺は意識が遠のいていきそうになるが。
『うおおおおーーーーーーーーっ!!???』
俺は踏ん張り片膝をつき身体を起こそうとしていく。
だが………………………。
『実に………くだらんな……貴様………この俺様に一撃をくらわせたのが自分の実力だとでも思っていたのか?』
『なにっ!?』
『それはこの俺様が貴様の力を試してやったにすぎん……………まあ……………それでもこの魔王を倒せん事はアレで身に染みて……分かったであろう……………』
俺は目を見開き魔王を目にする。
思わず全身が震え………………明らかな敗北感を感じてしまいそうになる。
だがこんなところで………俺は負ける訳にはいかんのだ。
俺は何とか全身に力をみなぎらせていく。
『ぐううっ……………ならば……………何度でも……くらわせるまでだ………………………。』
『フン……………………何度やろうが…………変わらん………………。』
『うおおおおーーーーーーーーーーーーっ!!!???』
俺は拳を握り叫び………魔王の身に全身全霊の力を込めた一撃を。
その時。
キラリと光り見えたのは大鎌の刃先。
俺は。
◇
◇
◇
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