シーン92勇者ラブラ召喚。
ここはとある地下の洞窟内某所。
三人の人物が天を見つめていた…………………。
『ここから私達は勇者の力を借りる事になるのね。』
美しいエルフがそう語った。
するとヒューマンの青年がそれに応えるように頷く。
『ああ………これは君達………精霊族の力も必須なんだ。』
『そうだな…………我々精霊とヒューマンの力であの魔族に対抗する力を得るためにここに集まったのだ。』
『そうね…………ドワーフ王…………ドワフロス………貴方自らがこんな事までする事になるとはね。』
『フン………それを言うならエルフィーナよ………お前もまたその地位を放棄しここに来てるではないか?』
ハッとその表情を変え顔を赤らめるエルフィーナ………そんな二人に溜息混じりに告げたのはヒューマン属の科学者であるロイズだった。
『まあまあ二人とも…………まあヒューマンの中の言われで喧嘩する程仲がいいという言い伝えもあるくらいなんだ………本当に仲がいいねえ。』
『冗談はそこまでにしてくれロイズよ…………だが遂に我々は『勇者召喚』を果たす時がきたな。』
そう嬉しげに言い放つドラフロス……その様子からこの勇者召喚に意欲を示しているようだった。
『本当よロイズ………私達の共通の大きな目的は勇者召喚を果たす事……私達のエルフの神樹にも…………魔族はやってきた………そして神樹を破壊しようと攻撃を初めて来たの………皆は私を神樹から逃がしてくれて……………そんな事があって当初からの目的としてここに辿り着いたのです………………だから本当に……………私達はこれから異世界よりの勇者召喚を果たさなきゃ。』
『エルフィーナ同様……………我々ドワーフ王国もまた魔族の侵略にあっている………………魔王ゼルドリスの侵略は脅威だ…………魔界から魔族をどんどんこの世界に送りこんで来るのだ………魔王は待ったなしにその驚異でこの世界への侵略を果たしてきている………勇者召喚を確実なものとしなければな。』
二人ともその切実な思いを語った。
するとロイズもまたヒューマンの代表としてその思いを語る。
『今この世界は我々人類も同様……………世界各国には魔族が溢れ初めて来た……かの我々人類……の国…………ブラズール………そこにはエルフ属エルフィーナ達の神樹もあり……そしてその地下には広大なドワーフ王国が広がっている…………そこを既に堕としつつある状況だ……。』
ロイズはそう呟く……そう告げると目の前にある魔法陣の前に立ち………何らかの魔道具を準備し始める。
『ロイズ……………それは!?』
『ああ……………これは我が師であるメギノス博士が完成させた勇者召喚の為の時空に影響を与え………歪ませそこから勇者を召喚させる物だという………二人とも……いよいよ………始めるが準備はいいか!?…』
『ああ……………頼む。』
『もちろん………もう準備は万端よ。』
ロイズの言葉に返す二人。
こうして『勇者召喚』の準備が整った………するとロイズが口を開く。
『そういえば……………………精霊族の中で面白い動きがあったね。』
二人はキョトンっとした表情を浮かべる。
『ロイズ………これからって時になによそれ?』
『そうだぞロイズ…………だがそれは一体!?』
『ああ……………なんでも…………あの竜人族に動きがあったらしい。』
その声に二人は目を見開く。
『『竜人族!!!???』』
『ああ……珍しいだろ?僕も竜人族とは…………伝説の存在だとしか聞いた事はなかったんだ………きっとそれだけこの世界に魔王ゼルドリスが与えた影響は大きなものなのだと認識したよ………でもそんな話を聞いてこの世界にまた希望も湧いてきたよ………なんていったってきっと……この世界での最強種はその………『竜人族』なのだからね………………もしかしたら………竜人族の助力も得られるようになるかもしれないしね。』
『ふふ………本当にそうかもしれないわね………じゃあ私達も私達ができる事をやってやりましょう。』
『フッ…………世界はまだまだ……希望を持てるのだな……………………さあ…………ではそろそろ始めようか………………『勇者召喚』を。』
ドワフロスの言葉に二人は頷き…………そして。
魔法陣から光が発生しこの洞窟内を青白く照らし始める。
そしてロイズはとある魔道具を構え言葉にする。
『神よ…………………………我々はここに力を備えた……………我々の世界に………異世界から………希望の『勇者』様をここに………………………。』
三人は構え………そして願いを言葉にする。
『『勇者召喚。』』
青白く眩い光りが洞窟内を照らし………そして。
一瞬皆の視界が光に奪われる。
するとそこには……………………………………………。
一人の女子が眠りながら横になっていたのだった。
『アレ?………………ここは…………!?』
これがこの世界に勇者が誕生した瞬間だった。
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