シーン77大穴と落ちてきた女子。
俺達の目の前に現れたのは空島の大地にぽっかりと開けられた巨大な大穴だった。
どこまでも深いその穴に俺達は圧倒されてしまう。
『ここ…が……………………』
『空島の大穴か』
俺達は、なんとかここまで辿り着いたのだった。
すると…………どこからともなく何者かの叫び声が聞こえてくる。
『そこのあなた達………止まりなさい………!?』
その声はどこから聞こえたのだろう俺達は辺りを見回す。
すると上空に何かがキラリと光る。
そして、それは俺達に向かってくる!!
『おおっ!!???』
『『何か…………きたあああああーーーーーーーーーーっ!?』』
気がつくと、そのなにかは俺目掛けて落ちてくるではないか!!???
次に聞こえた声。
『キャーーーーーーーーーーーーーーーーッ!?止まらないのおおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?よけてえええーーーーーーーっ!!???』
それは女性の声だった。
『うおおおおーーーーーーーーーっ!!?なんだとおおおおおーーーーーーーーーーっ!?』
俺は思わず声をあげる……………次の瞬間。
俺目掛け迫りくる女子。
ドーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!?と爆音を立てる。
彼女が落ちたその激しい衝撃に俺は受け止めながらもその激しい力に押されてしまう…………… このままでは大穴にどこまでも落ちていってしまう……そしてまたあの巣に落ちてしまったら……あのバットスパイダーに…………俺だけならまだしもこの女を落とす訳には………………。
『う………おおおおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?』
俺は渾身の力を込める……するとその時……ルキとそして………麒麟の声が聞こえた。
『お兄ちゃん!!???』
『あにぃ…………………!!!???』
俺の身体を激しく押してくる圧倒的な力。
だがここは二人の兄として今こそかっこいいところを見せなければ。
俺は落ちてきた女の子をガシッと抱きしめる。
そのまま両足に全筋力を集中させていく。
あまりの衝撃に俺の足はそのままズルズルと後退させられる。
『ググッ…………………くそっ!?負けて……………』
『たまるかあああーーーーーーーーーっ!?』
めいっぱい全筋力にうったえ俺は叫ぶ!!!
そして徐々に徐々にそのスピードはゆるやかになっていきあと少しで穴へと差し掛かりそうになったその時。
穴の一歩手前で女の子の勢いは止まったのだ。
『ふぅ……………………………どうやら止まったようだな……。』
『あ……………ありがとう…………ござい………ま。』
顔を赤らめ女の子は言葉を止める。
すると俺の手に柔らかな感触が残った。
『んっ!?何だこの柔らかいの………はっ!?』
俺が目を向けるとそこには赤面しプルプルと震える女の子。
容姿は青髪のショートヘアの活発そうな女の子だった……その女の子が俺を涙目で見ながら震えているのだ。
そして俺の手を見ながらジト目で見ている仲間達。
『ち…………違う!?決して俺はこんな事をするつもりではないのだ!!???皆も見ていただろう!?』
すると軽蔑の眼差しで見ていたスクエルちゃんが口を開く。
『なら……その手をすぐに離したらどうです?』
俺は恐る恐る自分の手に目を向ける。
女の子の胸には俺の手があてがわれていた。
だがこれは不可抗力だ。
彼女を支える為に支えたのがたまたま胸になってしまったというだけなのだ。
『なっ!?違う!!これはこの子を支える為に…………………………………。』
俺はサッと手を引っこめる。
女の子を抱きしめ支えるスクエルちゃん。
『よしよし!もう大丈夫よ!』
『ふえええん。』
女の子は涙ながらにスクエルちゃんにしがみつく。
俺の目の前には怒り心頭のスクエルちゃん。
そして。
『問答無用!!!』
バチーーーーーーーーンっといい音を立て…………俺は頬が熱くなったのだった。
◇
◇
◇
『あにぃ!大丈夫かあ?』
『お…………おう!……麒麟………大丈夫だ……男はな………理不尽な事があってもこうしてじっと我慢しなければならん事もあるのだ。』
『そっかあ!!あにぃ!かっこいい!』
慰めではなく純粋にそう言ってくれてるであろう麒麟に俺は嬉しさを覚えていたのだった。
そんな麒麟は俺の頭部を撫でていた。
『あにぃは髪ないのかあ?』
『あ………ああ……………今だけ………………な。』
そっかあとニコニコ笑う麒麟に悪意はない。
麒麟は本当に純粋なんだ。
そう……………純粋……………なんだ。
そんな感傷に浸る俺。
するとルキは彼女に問いかける。
『大丈夫ですか!?私は竜人族の巫女でルキと言います……何があったのでしょう?』
するとグスンと涙目だった女の子が口を開いたのだった。
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