シーン62獣人女性。
俺達はヘキサの転地により移動した。
するとそこは紛れもなくあの山の頂上だったと思ったのだが……。
『おお、ここは………今回はまともに着いたようだな。』
『へへへ………そうでしょうそうでしょう!』
偉そうに上機嫌でそう話すヘキサ。
だが……次の瞬間。
グラりと視界が歪む。
『ん!?』
そして俺達はふぅっと宙に浮いている感覚に襲われる。
『なんだこれは!!???』
グラりと動く地面。
そして俺達は先程立っていた地面が崩壊したのがはるか上空に見えた。
『『なにいぃぃぃぃぃぃぃぃーーーーーーっ!?』』
どんどん落ちていく俺達。
そして俺達はそのまま大地へと落ちていく。
『『うあああーーーーーーーーーーーーーっ!?』』
『ぶつかるーーーーーーーーーーーーーーーっ』
『うおおおーーーーっ!!軟化ーーーーっ!?』
そう言い放ったのはやはりあいつだった。
そして俺達は。
ボヨーーーーーーーーーーーーーーンっと柔らかくなった大地でバウンドして無事に森の中へと降り立ったのだ。
『ふぅ、危なかったぜ。』
『危なかったねお兄ちゃん!?』
『ああ、だが皆無事か!?』
俺は皆の様子を確認する。
まずはルキとスクエルちゃんは無事だった。
そして猫とイタチも身は軽い。
ゴリさんとメガロも難なく着地したようだった。
すると誰か一人多い気がしたのだ。
それは耳を立て俺達をみていたなにか。
『わんっ!!!???』
『誰えええーーーーーーーーーーーっ!?』
いつの間にか俺達の前にいたのはなんと毛色がとてもカラフルな大きな犬っころだったのだ。
『あの子……なんだろう?何かを訴えるような目をしてこっちを見てる気がする。』
『そうなのか?腹でも減ってるだけじゃないのか?』
俺がルキにそう返すとルキはバックの中をあさり始める。
するとなにかの食べ物を取り出すと犬っころに差し出す。
そーっと犬はルキの食べ物をパクッと食べる。
『いやあ可愛いですう♡』
『いやいやお前を見てる俺はもっと幸せだルキ!』
ついつい本音を漏らす俺。
するともぐもぐルキから貰ったものを食べて満足気な表情を浮かべた犬がワンっと一吠えすると今度はルキを舐め始める。
『あはは!くすぐったいよお♡』
楽しそうに犬……いや犬っころとじゃれているルキ。
次第にその光景に何故かしら犬の性別が気になってくる俺。
いやいや俺は別に犬っころに嫉妬などは………。
だが雄か雌なのか性別の判別くらいはしたいであろう?
俺はそう皆に目で訴えてみる。
すると俺の行動を予測したかのような皆が哀れんだ表情で俺を見返す。
『なんだよ!?確認くらいしてもいいだろ!?』
そして腹を見るために犬の性別鑑定をしようとすると。
『いやあああーーーーっっっ!?やめてください!!!』
『んっ!?』
『『ええええーーーーーーーーーーーーーっ』』
その瞬間、俺の頭部から何か焦げた匂いがパチパチという音と共に聞こえてくる。
『うあああっ!?髪が!!俺の髪が燃えてるーーーーーっっっっっっ!?』
俺が焦り慌てていると誰かの声が聞こえてくる。
『レイン!!!』
『ん!?』
『少々痛いかもしれませんが少し我慢していてください。』
そういったのはメガロだった。
『なにっ!?お前の能力だと?』
俺は上空に感じたなにかの力。
すると次の瞬間。
俺の肩にポタリと落ちてきた何かを感じ、嫌な予感がする………。
『雨!?んんっ!?』
勢いを増す雨。
それは瞬時に俺の周りだけ激しい集中豪雨を浴びる!!!
『うおおおおおおーーーーーーーー止めてくれえええーーーーーーーーーーーーーっ!?』
◇
◇
◇
そして雨はやんでいった。
『ふあああっ!?火は消えたが身体に穴が空くかと思ったぜ………。』
俺がふと気がつくといつの間にか犬っころの姿は無くそこにはルキに抱きつき泣きながら訴える獣人がいた。
『もお………お兄ちゃん!?行動には気をつけてよね?あのワンちゃんがこの子だったんだよ?』
俺はどうやらまたしてもやってしまったらしい。
スクエルちゃんのジト目の視線が痛い。
『ちりちりだぜえこいつの髪!?』
『まったく懲りないであります!!』
ねことイタチは俺の頭部にのり、ちりちりになったアフロのような髪をいたずらしながら笑っているではないか。
『うるせえよ。』
俺はルキ達に目を向けるとさっきの犬………いやいや女子はルキ達と話していたのだ。
『もう大丈夫だからね!本当に私のお兄ちゃんがごめんね!』
『次やられたら今度は私があの人に復讐してあげるから安心してて!』
『ううっ…………はい………お二人ともありがとうございます。』
『それで貴女は誰でどうしてここに!?』
ルキの質問に彼女はゆっくりと語り始めたのだった。
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