シーン31その先には!?。
俺達はこうして天空の塔と呼ばれる塔へと向かう。
空中から俺達は二体のドラゴンとなり……皆を背に乗せ飛ぶ。
『ルキ……………気をつけろよ………………あの塔にもまた鉄の何かがいるだろう…………そうじゃなければフェニックス自体捕らえられる事はないだろう。』
『うん……………お兄ちゃんありがと!でも私だってドラゴンだもん!それにフェニックス様はきっと…………神器を。』
『ああ………俺達の当初の目的はそれだからな……でもお兄ちゃんがいるから大丈夫だ。』
『うん。』
ルキはそういいながら笑みを見せる。
ドラゴンでも俺にはそう見えたのだ。
そんな飛行を続ける俺達の眼前にはいよいよそびえ立つ巨大な塔が見えたんだ。
『長老………あれだな?』
『うむ…………じゃが…………このまま最上階からはどうやら行けなさそうであるな。』
そう告げた長老。
『どういうことだ!?』
『よく目を凝らして見てみぃ。』
俺がその言葉に目を凝らしみると…………塔を守る防壁の様に紫色のバリアのように何かが張り巡らされていた。
『あれは………何かの防壁か………仕方ねえ………降りるぞルキ!?』
『お兄ちゃん!?はい!!』
ぎゅうんと急降下する俺達。
そして俺達は魔塔の入り口に立っていた。
するとサラが口を開く。
『ここが魔塔の入り口です……元々ここに棲みつき、静かに存在していたフェニックス様………だけど、この防壁は後から作られたものでしょう………この防壁には魔力を遮る力を感じます…………もしかしたらこのままでは私達の魔力自体も封じられてしまうかも知れません。』
哀しげな表情のサラ。
俺はそんなサラを脇に寄せる。
『えっ!?雷武様!?』
『そんな表情をするな………俺は深紅のドラゴン…………………雷武だ。』
扉の前に立ち…………俺は魔力を発していく。
確かにこの防壁から俺の魔力を吸い取られている感覚を感じる。
『うおおおおーーーーーーーーーーーーーっ』
俺の拳に集まっていく赤く輝く光。
そして。
『サラ……………お前達は俺が。』
『守る!!!!!!!!』
ドゴーーーーーーーーーーーーンっと俺の輝く拳は塔の扉にヒット!!!!!
扉が吹き飛び爆風が巻き起こる。
バチバチっと破壊した扉のなくなった入り口。
『さあ…………俺は行くが……………怪しくもある……………なんならお前達はここで待っていろ。』
俺は一歩中に足を踏み入れると全身の力がふっと抜けていく感覚。
これはやはりこの塔に発している力を吸収する何かの力なのだろう。
するとルキは隣で呟く。
『お兄ちゃん………なら私がここは皆を最上階まで…………保護していきましょう。』
『ルキ?』
すると目を閉じ手を広げていくルキ。
『マジックバリア。』
ルキの身体の周りから大きくなる防壁はドーム型になり俺達を包み込む。
すると先程まで感じていた力の吸収は遮断されるのを感じる。
『ルキ………………これならば………。』
しかしこの時……………俺はまだ能力を使ったルキの力が奪い続けられていた事を知らないでいたのだ。
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ルキの力により力を失わずに最上階を目指していく俺達。
中はフェニックスの影響だろうか……敵は現れなかった。
これは有難かったのだが俺はルキの変化に気がついていた。
かなり上まで登ってきたが俺達より明らかにルキには疲れが見えていた。
そして遂に最上階へと辿りつこうとした……その時。
ルキの身体はふらっと倒れかける。
『ルキ!?』
俺はルキの身体を支える。
『お兄…………ちゃん…………後少しなのに………………ごめん……私…ちょっと疲れちゃった。』
目を細めそういったルキ。
俺はルキを抱き上げる。
『皆…………………目の前の階段を登れば最上階だろう……俺はいく。』
俺は歩き出す。
ルキの防壁がなくなった今。
再び身体から力が吸収されていく感覚を感じる俺…………ここまできた仲間達もきっと俺と同じ気持ちなのだろう。
俺はルキを抱えながら階段を登っていく。
俺が階段を登りきる…………………そして、そこには機械で周りを囲まれた部屋……………そして中央には何かを捉えている巨大な檻がそこにはあった。
そしてその中には囚われた巨大な怪鳥が存在していた。
『フェニックス様っ!?』
サラはいち早くフェニックスの元へと走り出そうとしたその時。
彼女の進行を止めるように現れたのは巨大な何かの影………それは伝説で聞いた事のあるケンタウロス………上半身は人間………下半身は馬……そしてその全てが機械で作りあげられた魔物だった。
すると奴は口を開く。
『ぐふぅ…………………我が名はケンタウロス………フィガーロ様の名により………この塔のフェニックスを支配する………………機械魔神……………だ。』
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お読みくださりありがとうございました。




