シーン22ヨーロディアの神器を求めて。
俺達はみるみるうちに戻っていく大自然の神秘を目の当たりにしていた。
『凄いです……………………綺麗…………………』
『ああ………さすがはドライアードだな。』
俺たちがそんな話をしていると、ドライアードが一息つき、声をかけてくる。
『さて………皆様この度は本当にありがとうございます………感謝してもしきれないほどです………では今度は私達があなたがたの希望を叶える為に手助けをいたしましょう。』
そう言ってくれたドライアード。
ルキはドライアードの言葉ににっこり笑みを見せ礼を言う。
『ドライアードさん………私達の為に本当にありがとうございます。』
『ルキさん……いえ………私達こそ……貴女は竜の巫女として神器を手にする為にこのヨーロディアまで来たのですよね……この地ヨーロディアは現在……歴史ある地でありながらこの地は科学の発展も最近では著しく………ヒューマン達がこぞってあのような基地を作り、その為の自然破壊……そしてあのような兵器を作る為に動いていると聞きます……しかもその背後には魔族の影もあると聞きます……その影響もあり、その中で先程のサイクロプスのように神の様な存在も兵器に変える動きもきっとあるのかも知れません………ここからはまた気を引き締めていきましょう。』
『はい…………………。』
『では…………私がルキ様の為に……神器の情報を集める事にいたしましょう。』
するとドライアードは両手を広げると。
目を閉じ、すぅーっと息を吸っていく。
『空気超波紋』
そう声を上げるドライアード。
それは空気になにかの影響を与えるドライアードの技なのだろうか。
俺たちはその技に時を待つ。
するとドライアードは今度はゆっくりと息を吐いていく。
ドライアードの目はゆっくりと開いていく。
『ここから大分離れた場所にいる精霊…………火の精霊サラマンダーの声が耳に入りました………』
『サラマンダー………………』
『サラマンダーか………火の精霊っていう事は俺たちにも近い何かがあるのか?』
するとドライアードが口を開く。
『そうかも知れませんね……ドラゴン様達の力に影響を与えるとも言われる炎の精霊…サラマンダーはこの大地の『火山』に多く存在しています………以前は至る所にいたのですがやはりヒューマン達の科学というものの為に最近はその数を減らしています。』
『そうか…………。』
『ええ…………ですが私が先程聞いた話では……そのサラマンダー達が今守られているのはそこに存在しているとある存在があるとの事です。』
『とある存在?それは一体?』
ルキがそう返す。
『ええ…………そこにいるのはなんと………………』
ドライアードは。
『不死鳥です。』
『『フェニックス!!???』』
俺たちは声を合わせるように驚く。
ドライアードは頷き続ける。
『ええ……………そしてフェニックスは………ルキ様の求める『神器』と何らかの関係を持つそうです………先程私の声に応えてくれたサラマンダーの話で教えていただきました。』
『そうでしたか………………では行かなければなりませんね。』
そう力強く言葉にするルキ。
『ああ……………行こうぜルキ………大丈夫だ…………お兄ちゃんがついてる。』
『お兄ちゃん…………ありがとう。』
にっこり笑うルキ。
この笑顔が俺には何よりのご褒美だ。
すると俺とルキ間に割って入ってきたのは、やはりあのあほ猫とミリタリーイタチだった。
『ルキ!!僕は疲れてるんだ……抱くのを忘れるな。』
『僕は一人でも大丈夫だが………お前のボディガードだからな………。』
そう言いながら二人……いや二匹は俺の邪魔をしてきやがる。
『うふふ………もお……………フェリスちゃんもフェロームちゃんも甘えん坊だね♡』
そう言いながらぬいぐるみの様な奴らを抱きしめ微笑むルキ。
奴らの羨ましげな視線を送ってしまう俺。
するとドライアードはそんな俺に気づいたのか笑いながら口を開く。
『さあ………いきましょう………………場所はイタリーノという大地にある『エトーナ山』です。』
俺とルキはドラゴンへと変化する。
『さあ乗れ!!!エトーナ山に行くぞ!!!!!』
そして赤きドラゴンの俺と緑のドラゴンのルキは皆を背に乗せ………再びこのヨーロディアの空に飛び立ったんだ。
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