シーン21地下世界の崩壊。
ドガーーーーーーーーーーーーーンっと激しい轟音を立てて地に沈んだ機械魔神と化したサイクロプス。
それはここにあったヒューマン達が作り上げた施設をも破壊したのだ。
それにより逃げ惑うヒューマン達もいたかもしれんがほどんどはこの建物と共に。
『ふぅ………消え去ったか。』
俺がそう声をもらすとルキ…………そしてドライアード達の声が聞こえる。
『おーい!!!お兄ちゃーーーん♡』←雷武の妄想。
手を振り俺の元へ駆けよってくるルキ………なんて輝かしくて可愛いのだ。←(注)雷武の妄想。
そんな俺が手を振ろうとすると。
突然俺の視界いっぱいにどこかで見覚えのある白いもこもこした丸い物体が迫っていた。
『ぶふぉっ!!!!???』
俺の顔面にヒットしやがったのはアホ猫のケツだった。
『貴様あああーーーーーーーーーーーっ!?』
『アホめ………油断してるからだ。』
そう言い放つフェリス。
だが奴をよく見ると俺に片手を出し肉球を出してきていた。
これはヒューマンで言う互いを称える何かだろうか。
俺は肉球にそーっと触れるかのように手のひらを出してみる。
するとフェリスはぷにっと手のひらに肉球を当ててくる。
何か照れてしまう俺。
そこへルキがやってきてフェリス、そして隣に立っていたフェロームを同時に抱きしめる。
『二人とも…………私を助けてくれてありがとうね♡』
『『んん!?』』
二人もその行為に驚いたらしい…………。
『感謝せよルキ。』
『僕に惚れるなよお嬢さん。』
二人がルキに抱きしめられながらそう捨て台詞を吐く。
『な!?………………ルキ……………お……お兄ちゃんも………………………頑張ったぞ。』
『うんっ!!お兄ちゃんも本当にありがとう。』
『お……おう。』
こいつらと違い俺はそう言われただけで嬉しいのだが……………こいつら………くっ。
羨ましい………………………。
俺はそんな事を考えてしまったのだった。
するとドライアードが宙にすーーーーーっと浮いていく。
『皆様……………このままサイクロプスが消えていった今……………この地下基地は潰れていく事でしょう………。』
そういったドライアード。
すると………………ゴゴゴと揺れ出す地下世界内部。
『これは!!!??』
『ええ……………崩れだします…………まずはここからの早期撤退を希望します。』
『『なんだとおおおーーーーーーーっ!?』』
焦り出す俺たち。
次の瞬間ルキ…………そして俺もまたドラゴン化する。
『皆様!!私達の背に乗ってください!!』
『よし…………このままぶっ飛んでくぜ!!!!!』
皆を背に乗せた俺達…………そしてここから地上へと一気に駆け抜ける。
『行くぞ!!!!!』
俺の一声で飛び出していく。
天井からはガラガラっと衝撃によって崩れ出していく洞窟内。
俺たちは岩を避けながら洞窟内を飛んでいく。
この姿でなければこの状況からは逃れられなかった気がする。
俺達はぐんぐん加速し洞窟入り口を目指して飛んでいく。
背後からどごおおおっーーーーーーーーっと大きく何かが崩れた轟音と粉塵がこの辺りまで飛んできた気がした。
ここまで粉塵が届いたという事は、もうあの地下世界は大きく崩れたのだろう。
俺たちは複雑な思いを乗せ一気に地上を目指す。
『サイクロプス………ゆっくり……………休むんだぜ………………もうお前の邪魔をするものは…………いないハズだ。』
俺はそうサイクロプスに言い残すと。
このまま一気に地上へと飛び出していく。
『お兄ちゃん!!??光が見えてきました。』
『ああ…………ルキ……………一気に飛び出すぞ!!!!!』
『はいっ!!!!!』
そして俺たちの視界は一気に明るいものとなり太陽が見える大空へと飛び出した。
『地上だーーーーーーーーーっ!!!???』
そして一気に地中への洞窟は崩れ去っていく。
もう地中には誰も立ち入っていけないように。
◇
◇
◇
俺たちは元のいた場所。
木々が枯れ落ちそして開けた森の跡地へと降り立ったのだ。
『ふぅ……………………………ひとまず何とかなったな。』
するとドライアードが神々しい光を放ちながら口を開く。
『皆様…………………………この度は本当にありがとうございました………これでこの周辺の緑は戻っていく事でしょう。』
『そうか……まあここまでの被害があったんだ……………きっとまた緑大き大地へと戻っていくだろうぜ。』
『雷武様……………………本当にありがとうございます………………。』
ドライアードはその目を潤ませるように口を開く。
『大丈夫です……………この森を貴方が解放してくれました……緑は戻ります。』
そういったドライアード。
すると。
すうーーーーーーーーーーーーっと優しい風が舞っていく。
すると…………枯れた地表が緑に覆われていく。
そして枯れかけた小川跡地には煌めく水が湧き上がりせせらぎへと変わる。
こんな魔法の様な。
そうか……これがドライアードの力なのだ。
俺たちはそんな光景を目にしながら…………一時の癒しを体感していたんだ。
◇
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お読みくださりありがとうございました。




