シーン13ドライアードの苦悩。
俺達の目の前には森林の精霊であるドライアード。
ドライアードは、目に涙を浮かべ俺達を見ていた。
俺は涙の意味はルキによる森林破壊かと思ってみたがどうやらそうではないらしい。
すると、とぼけた顔のドライアードは語る。
『実は……………………………。』
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このヨーロディアに広がる森はバロック大森林と言ってヨーロディアの大自然の象徴でもあります。
ですが数年前からヒューマン属によって大規模な樹木の伐採が行なわれるようになったのです。
そして、なんと広げられた場所には次々と建物がたてられてきました。
それはヒューマン達が何かを製造する為に立てられたようでした。
ですがその影響は木々だけではなく……建物内では何かを製造する為には高温の熱が必要だったようで、火山からはマグマの鉱石を根こそぎ集め……そしてその燃料とする為に草木や様々な物を収集……最後には不必要な廃棄物は澄んだ水の中へと流してしまったのです。
その影響で、我々ドライアードはじめ、火の精霊であるサラマンダー達の数が減少してしまい………そして水の汚染の影響で精霊ウンディーネ達もたちどころに病に倒れ数を急激に減らしてしまったのです。
そして私はその精霊の代表としてヒューマン達の動向を探ろうと動きました。
するとその建物内では恐ろしい薬物が精製され…………そしてなんとそこで私はある物を見てしまいました。
それはなんと。
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俺達はドライアードの言葉に釘付けになっていた。
するとふぅーーーっと深い息を吐くドライアード。
『それはなんだーーーーーーーーーー!!!』
どうやらドライアードはマイペースなようでお茶をすすっていたのだ。
そんな俺はつい大声で突っ込んでしまう。
『まあまあお兄ちゃんどうぞお!?』
ルキもそれに合わせ俺にお茶を勧める。
色々ツッコミどころが満載な状況に俺は苛立つ。
『若いもんはこれだからのお。』
そういいながらルキと一緒になってお茶を啜るアホ猫フェリス。
するとムカムカと腹が立つがドライアードは続ける。
『そう…………私が偶然そこで目にしたのは………ヒューマンにより作成されたのであろう機械による兵器………………………機械兵器だったのです。』
『機械…………兵器……………………』
『ええ……………このヨーロディアでは近年……魔族達の動向が変化しつつありました…………魔王という存在の出現……………それによりヨーロディアに遥か昔から伝わる伝説クラスの魔物………いや……………それはもう魔族の中でも魔神と呼ばれる階級の存在が魔王の力により出現したとの話なのです……………。』
『魔神………………か。』
『ええ………………魔族…………その上の存在である魔王の出現で他の………しかも恐ろしい魔神達の存在は………このヨーロディアで混乱を産み始めているのです……………。』
するとドライアードに続くようにルキが口を開く。
『ドライアードさん…………私は竜人の巫女ルキといいます………………私はこの存在で未来視ができ………そしてそれは魔王復活と我が一族の滅亡が示唆されたのです………そこで私はお兄ちゃんと一緒に伝説の神の宝具である神器を探しそして魔王から……運命を変える為に……私達は旅を始めたのです……そしてここに来たのはきっと………ドライアードさんの力になれとのお導きだと私は思ってます……だから私達があなた達の力になります!!』
そう言い切った 驚きの表情のドライアード。
『そうだったのですか……………。』
そう言って固まるドライアードは再びお茶を啜り深い息を吐く。
『ルキさん…ありがとうございます……………………ならば………………この私も………………貴女達の助力をいたしましょう…………互いに手を取り………共に世界を守るために!!!!!』
熱く拳を握りしめ叫ぶドライアード。
パチパチと手を叩くアホ猫とひょこたん。
この時、俺の中でドライアードという不可思議な精霊に溜息をついたのだった。
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こうしてまずは俺達はいた場所から奥深い森へと入っていく事にする。
ルキの暴風により森の三分の一が消滅したのだがそれでもこの森は広かった。
俺達はその奥に向かっていると。
やあっ!!たあっ!!という不可思議な声が聞こえてくる。
すると近くに滝がある事を俺達に気づかせる音が聞こえる。
轟々と聞こえる激しい水の音。
俺達は滝に近づいていく。
そこに見えたのはなんと。
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