シーン111ルキの結婚式。
俺はあらかじめルキから聞いていた建物へと向かっていた。
俺が先程思い出した竜尾はあれから帰ってくる事はなかった。
それはこの村のしきたりにより定められた運命だと聞いた。
それ以来俺はこの村のしきたりというものに敵意しか感じてはいない。
だから俺は事ある毎に長老と喧嘩になってきたのだ。
だが…………今日は我が妹の晴れの舞台なのだ。
俺だって可愛いルキの花嫁姿はみたい。
ここは俺も大人しく見にいくしかあるまい。
俺はそんな事を考えながら歩いていると窓からしりを出してもがいている何者かの姿があった。
『ん?あれは………………』
俺が近づくとそいつに見覚えがあった。
それはなんと俺達の弟になった麒麟だったのだ。
『ん!?麒麟…………か!?』
『んんっ!?あにぃ!?』
『ここで何をしてるのだ!?』
『おねぃのへやあ………………………。』
麒麟がそう言った瞬間。
『麒麟ちゃん!?お兄ちゃん!?』
そう驚きの声を上げたのは………純白な衣装に身を包んでいた………………………ルキだった。
俺は思わずルキのあまりの美しさに動けずにいた………するとルキ口を開く。
『お兄ちゃん…………来てくれたんだ……………お兄ちゃん………来てくれないかと思っていたから……………本当に嬉しいの…………ありがとう。』
『あ、ああ……………ルキ……………綺麗だぞ……本当におめでとう。』
『お兄ちゃん…………本当にありがとう。』
そう言ったルキの目には涙が溢れ………そして頬を伝い落ちる涙。
俺もその涙に涙腺が緩む。
するとルキが一言呟く。
『お兄ちゃん……………今まで私をずっと見守ってくれてありがとう…………私はこれからルテンの妻として…………今まで以上に幸せになります。』
ルキの言葉に俺は……………………………。
涙が溢れ落ちていた。
『ルキ…………………………………ああ…………幸せになるのだぞ。』
『うん……………………私のお兄ちゃんが…………お兄ちゃんで本当に良かったよ…………………。』
『ルキ!!!!!』
俺は泣いた…………これが男親の心境なのだろう………大切な娘が嫁ぐ時には…………寂しさと嬉しさで………胸がいっぱいになるのだ。
そんな俺達に寄り添うように麒麟は微笑み俺達を見ていた。
『おにい……………おねぃ……………なんか幸せそうなかおだあ。』
『麒麟ちゃん………ありがとう。』
するとそこへ入ってきたのはルキの相手ルテンだった。
ルテンは俺達に気がつくとこちらまでやってくる。
『兄様……………麒麟君…………………来てくれたのですね………………ありがとうございます。』
『あ、ああ…………………………………』
俺がそう呟くと麒麟はぴょんっとルテンに飛び乗る。
『ルテンおにぃ!!』
『おお!麒麟君…………………君も来てくれたんだね!ありがとう。』
そう………こないだの訪問から二人も仲良くなっていたらしい。
すると式を執り行う者が入ってくる。
『新婦のルキ様……………………新郎のルテン様……これより式をとりおこないます………………ご準備をお願いいたします。』
『わかりました……………………。』
『はい…………今行きます。』
そして俺達に挨拶をし………奥へと消えていく二人。
俺達は式の流れに着いていく事に。
建物の入り口で二人が出てくるのを待つ俺達。
するとそこにはなんと今日のために集まってくれた共に旅をした仲間達の姿があったのだ。
『おお……………お前達…………………。』
ねことイタチ……スクエルちゃんにゴリさんと彩ちゃん……メガロにアースドラゴンとバラコンダ兄弟…………そして空島からはペガサス、プテラちゃんにビートルとスタッグちゃんまで………皆がルキの為に集まってくれたようだ。
俺達は笑い合う……………そして今日この時を迎えられる事になんとも言えない幸せな気持ちに浸ってしまう。
すると建物の扉がゆっくりと開いていく。
そこには手を握った二人がゆっくりと出てくる。
綺麗…………ルキちゃん幸せそう……そんな声を上げる仲間達………特に女性はきっとルキに共感してくれているのだろう。
皆が二人を見守る…………そして二人は歩き出す。
そして行く先は目の前にある崖の前。
そこには神父が立っていた。
二人は神父の前で立ち止まる。
『我が竜人族の神…………竜神様………その血の流れをここに繋がれる…………一族の繁栄の新たなる一歩を歩む二人にどうか御加護をくださる事をお願い申し上げます。』
その声にルキ…………そしてルテンは叫ぶ。
『『竜神様…………私達にどうか御加護を………………………。』』
そして翼を広げる二人は手を取り合い……二人の唇は重なる…………そして二人は微笑みあう………そして……大空へと飛び立つ。
そんな二人を俺達は見守ったのだった。
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